スケッチ

下を見て歩こう

地下鉄からJRへの乗り換えで階段を上がる。階段を一段ずつ見ながら昇る。床面で光が反射している。雨かと見上げれば星空。石の成分が輝っていた。

路傍

綺麗に舗装された歩道から、わずかにそれるとゴミの散らかった小さな空き地があった。 有刺鉄線に囲まれて。 交差点の角には要人を警護する警官が立っていた。

朝の雨

その雨は不意にやってきてすぐに去っていった。 もう少しだけタイミングがズレていれば。 でも、そういうものなんだ、全て。

坂道

みずみずしく立ち並ぶ番町の街路樹。

路地は線路へ向けて緩く左に曲がりながら下っている。 昨日来の雨は轍に注ぎ込み小さな急流をかたちづくっている。 人々は川に踏み込まないよう注意を払いながら黙々と歩く。

快速

線路脇の道路を歩いていると急ぎ足の勤め人が追い越していく。フェンスの向こうでは始発電車を待つ行列。幾人にも追い抜かれて階段を登り改札へ向う。 ホームへ降りると快速電車が停車している。座席は空いていなかった。同じように座りそこねた人たちが立っ…