うっかりやってもた

実家からの帰りに梅田のタワレコへ寄った。マイルス・デイヴィスデジパックを買うために。ところが、試聴コーナーを見てたら面白いものを見つけてしまった。
まず1枚目。

Dizzy Gillespie / Charlie Parker: Town Hall, New York City, June 22, 1945

Dizzy Gillespie / Charlie Parker: Town Hall, New York City, June 22, 1945

幻の録音とちょっと前にSwingJournalで取り上げられていた(らしい)もの。録音状態はハッキリ言って最悪に近いが、ディジー・ガレスピーチャーリー・パーカーがビッグ・バンドではなくコンボで、それも具合のいい時に残したライブ録音。カーリー・ラッセルにマックス・ローチとビッグネームが並ぶ。何より、「次回入荷未定」という文句に騙された気もするw ちょっと時間ができたらゆっくり聴こか。
面白いのは2枚目。
ルーネオロジー (紙ジャケット仕様)(BOM1501)

ルーネオロジー (紙ジャケット仕様)(BOM1501)

ノルウェーの「ルーネ・グラモフォン」というレーベルからのコンピアルバム。ジャズコーナーに置いてあったが正直、どこに置いたらいいのか迷うと思う。一番いいのは関係あるコーナー全部に並べてしまうことw
1曲目からジャズなのかロックなのか判別しがたい。
2,3曲目は民族音楽っぽい。
4曲目はテクノ。
とまあ、ジャンルの壁を越えた音楽。
モダンジャズまでがジャズ」とか「電化された時点でジャズは終わった」とか言うてる人らは「ジャズ」という言葉の定義がそういうことなんだろう。
そもそも、ジャズってどういう音楽のことを指すのか。ロック、ポップ、テクノ。こういったジャンル分けの基準は? 例えば、underworldなんかは一般的にハウスに分類されるが、テクノロックとか言われたりもする。マイルスだって「On The Corner」は今のヒプホプの源流とも言われるし、晩年にはポップからとった曲も多い。例えば、「You're Under Arrest」収録の「Time After Time」。シンディ・ローパーの同名曲をマイルスがトランペットで歌う。これはポップ?ジャズ?
僕が考えるのは、ジャンル分けなんてのは手段でしかない。本質は全く別のところにある。「音楽」だけじゃお目当てのものを探しづらいから。クラシックなんかは比較的、区別しやすい。が、ポップとロックの境界は?っていうと誰も答えられないんじゃないだろうか。少なくとも、絶対に正解はない。ある人が「ロックはこうで、ポップはああだ」と言っても絶対に反対する人は出る。100人いたら100通り答えが出そうだ。だから、タワレコなら、日本のものは全部「J-POP」コーナーに、洋楽は「POP・ROCK」に分類されている。最近では、そこにヒプホプやラップやテクノやらが日本人アーティストの間でも増えてきて、ますます区別でけんという状態になってるから「とにかく日本人のは全部J-POPに集めてまえ」ってものすんごい乱暴なことをしてる。平原綾香の「Jupiter」なんかもオリジナルの歌詞はついてるけど、ホルストやしな。クラシックコーナーに並んでてもまあエエんとちゃうか。
要するに、販売とか雑誌での取り扱いとかそういった便宜上、区別する必要があってできてきたジャンル分けで、作る方も聴く方もそれに縛られてたらアカンということよ。自分で自分の首を絞めてどうするんやと。そんなんではすぐに限界がくるし何も進歩しないし、第一、飽きる。おんなじことの繰り返しよ。飽きる。
クラシックというジャンルだって厳密に言えば、バロックだとか古典派とか細分化できる。あるいは、交響曲室内楽とかいう細分化もできる。けど、聴く時にそこに何か重要なことがあるか?演奏することは僕はないけど、演奏する場合に何かあるのか?歴史に名を残す指揮者や演奏家はそういう「常識」を破ってきた。新しい解釈。時代に合わせたものもあっただろうが、他人とは異なる解釈をする、それが認められるということが繰り返されてきたわけだ。もちろん、勝手な解釈ではいけない。何か意味がなければ。そういう意味では、スコア通りに演奏するっていうのも新しい解釈だったわけだ。たいてい、何か味付けして演奏していたわけだから。
ポップ、ロック、ジャズとかいった歴史の浅いジャンルも新しい演奏法とか作曲法とかそういったものを編み出し続けて細分化してきたわけだ。一つのジャンルにこだわる必要なんかない。そういったものを突き破らなければ新しいものは生まれない。
まあそういう意味で面白いんよ。確かにジャズらしき手法を使ってはいるけれども、ジャズ?ってなるし。かといってロック?ってもなるし。こうやってまた新しいジャンルが生まれていくんだろうけど、キリないでホンマ。これは小説とかの文芸でも絵画や演劇でも同じことが言えるだろう。そのへんのジャンルまで突き抜けてしまったりして…。ある意味、AAは文芸と絵画との壁は越えてるけどな。レベル低いけどw
で、いつもの調子で聴いてたら隣から苦情がきた。ボリュームは落としてたんやけど、まあ低音がなあ…。時間忘れてたわ。すまんことやで。グフフ…。
肝心のマイルスを買うの忘れたorz つうか、また予定外の買い物をしてもた…

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