朝比奈隆「ベートーヴェン交響曲全集」ほか

さて時間ができたので先日は3番だけ聴いていた新日フィルとの全集について。
その後、「1番・4番」「7番・8番」「9番」「2番・5番」「6番」の順に聴いてみた。順番は好きなものが入っている順番ですかね。(4番、8番、9番、2番、6番)
やはり全体的にゆったりとしたテンポで、注意深く一つも漏らさないように進めていく演奏で、特に9番は終楽章、ずいぶんと苦労したんではないかと思う。
しかし、その甲斐あってか、他の指揮者とは一味違うベートーヴェン交響曲に仕上がっているように感じた。
カラヤンの華やかさは欠片もない。トスカニーニのスマートさもない。バーンスタインの流麗さもない。しいて言えば、フルトヴェングラーが近いが、同じスローテンポでも全く異なる。どちらがいいかと言われれば、個人的にはやはりフルトヴェングラーの方が上だとは思う(オケの技量もあるし)。それでも朝比奈隆には彼の素晴らしさがある。
「真摯」。この言葉がしっくりくるんではないだろうか。
音を流れとして演奏していく。それは当然あるべき姿ではあると思う。一音一音では意味をなさず、全体のつながりではじめて「曲」となるから。だからといって細部を軽視していいかというとそういうわけではなく、その一つ一つの音符にまでこだわってみたというのか、最近はやりの「流れるような」演奏とは正反対の、確認しながら前進していく演奏。
これはこのアルバムに限ったことではなく、朝比奈隆の指揮を聴いていると概ねそういう傾向にあるし、それがバチッとはまるのがブルックナーではないのかとも思う。
ベートーヴェンでもはまるところははまる。3番なんかはフルトヴェングラーにも負けない名演と思う。が、反面、7番なんかは、やはりもう少し華がほしいかなとも思ったりはした。


さて、ここにきてベートーヴェンを徹底的に聴いてみよう、と思い、交響曲はもういいやろう、4通り、名だたる指揮者の演奏を聴いてきたから。次は協奏曲かと思ったけど、よく考えたらピアノ協奏曲はすでにバックハウスで全て聴いている。ヴァイオリンもトスカニーニハイフェッツルービンシュタインというメンツのがある。
じゃあ、ピアノ・ソナタかな、と。これはいわゆる「名演集」みたいなのしか持っていないので、大体が「月光」「悲惨悲愴」「熱情」など。かなりかぶっている。
全集ほしいなあ…。バックハウスか…。

ベートーヴェン : ピアノ・ソナタ全集

ベートーヴェン : ピアノ・ソナタ全集

高いぞ、コノヤロウ!
馬券とってからやな(笑い)。
後期3大ピアノ・ソナタだけカヴァーしたかったので、リヒテルのお徳盤を買ってきて済ませてみた。
ベートーヴェン:ピアノソナタ第30番&31番&32番

ベートーヴェン:ピアノソナタ第30番&31番&32番

なるほど、とは思ったけど、今一つピンとこない。もう少し聴きこんでみないと分からんのかな。バラとプルトニウム(笑い)。
32番は異色やなあとは思った。これ、ピアノ1台でやるん?って。