ハナで嗤う

メシ食うついでに錦糸町あたりの本屋を徘徊してきた。
あの辺はたいした本屋もないから時間もかからんねんけど、相変わらず実用書コーナーで立ち止まる。
今日のはホンマ鼻でフンとしかいいようがないよ。
何とはいいませんがね。オレンジ色の表紙をした本が平積みされてるんで見てみたわけですよ。アプローチは別として考え方の基本は「4角フォーメーション」に近いんで。
久しぶりに「馬券自慢」をみて笑わせてもらいました。
「08年ダービー3連単的中」
「08年NHKマイルC3連単的中」
とだけ書けばどっちも10万単位の配当なのですごいと思うかもしれんけど、実はどっちも90点以上の買い目。
この間も書いたけど、100点近く買って万馬券を当てるのはそう難しいことではない。というより、これで当てられないという人は競馬やめた方がいいよというぐらいセンスがない。
今回の2つはどっちも結構な大穴なので回収率でいうとかなりのプラス。
でも、考えてほしい。
馬券買うたびに毎回100点も買えというのか?


3場のメインレースと、目の前の最終レースと、準メインの合わせて5レースぐらいを買うと仮定しよう。そうすると、100円ずつ買っても1日に5万円使う。2日間全く当たらなければ、NHKマイルC3連単11万ナンボというのはあっという間に消えてしまうわけですよ。
もちろん、当たればええけど、08年の秋天みたいな日もあるんよね。
10レース 3連単3,990円
11レース(秋天) 3連単3,250円
12レース 3連単16,510円
合計しても2万円とちょっとにしかならない。全部獲っても半分しか返ってこないわけですよ。そんな買い方で長く続くわけがない。「いや、それでオレは食っている」というんなら、まあ出てきて買い目を全部晒してほしいもんですよ。


はっきり言うと、もともと大金を持っていてすぐに稼ぎたいんなら株でも買った方がいい。全部なくなることはないし、元手が大きいほど儲けもでかい。
競馬で100万円をぶっこんでもっと増やすなんてバカバカしいことはないよ。買った馬が故障して競走中止したら全部パーなんやから。
できるだけ少ないカネで、できるだけ勝つから競馬はおもろいんやろ。
あるいは、単純に自分の予想した通りに結果が出るからおもしろい。それもできるだけ「1点勝負」に近ければ近いほどかっこええやろ。
そういう意味では、よく予想会社で2千円か3千円ぐらいの馬連を1点勝負1万円という馬券を(捏造して)晒してるけど、アレは気持ちが分からんでもない。そんな馬券が(ホンマに)当たったときは普通の万馬券獲るより嬉しかったりするもんな。
極端に言えば、「万馬券を獲る」だけなら、全レース、全買い目買ったらええんやから、カネさえ無尽蔵にあればアホでもできる。


もう何年も前から思ってるけど、馬券のセンスって「どの馬を買うか」よりも「どういうふうに買うか」の方がより大きなウェイトを占めるんちゃうんかと。
08年のダービーであれば、ディープスカイを買うのはよっぽどの捻くれ者でない限り簡単なこと。けど、そこからどうやって馬券を買うか。
90点も買えば、そりゃひっかかるやろうと思う。たとえば、1頭軸マルチの3連単を買うとしたら相手を6頭も選べてしまうわけですよ。そこで1番人気から買うのにヒモを2番人気から7番人気まで並べるという人はいないやろうし、単純に「芝の重賞勝ち馬」というだけで絞っても7頭しかいないわけで、そこまで難しくない。
でも、普通は買えない。理由はさっき書いた通り。そんなアホみたいな点数をずっと買い続けてたら絶対に負ける。一瞬プラスになってもすぐなくなる。
ところが、同じヒモ6点でも1着固定流しにできていれば30点で買えてしまうわけですね。そこが「センス」ちゃうんかと。


だから、ワシは鼻で嗤ったんよ。
ある意味、120円のディープインパクト単勝を100万円買った馬券より恥ずかしいと思うよ。本にして晒すんやったら。