三歩

最近頓に運動不足を痛感する。そこで今日は天気もよいので散歩してみることにした。
というのは、建前で、ホンマは単に髪を切りに行っただけ。
しかし土曜日にサテンか食いモン屋かどっかで読んだ新聞に15年と出ていたので懐古してみようと思ったのも事実。
15年前というと、ちょうどワシが東京へ出てくることになった年で、運よく1日か2日ぐらいの差で丸ノ内線に乗らずに済んだという曰くつき。したがって、ワシが手続きをしたり何やらしてから今日で15年と4日ぐらいということになる。多分、この事件の記事を見るたびに同じことを思い出すんやろう、一生。


さて、本日のコース。
肝心の神保町がメインの用事なのでここを通らなければならない。しかし、今、神保町を通る定期は持ってない。九段下から160円なんやから払えというのもあるが、乗り換えている時間を考えたら一つ前の竹橋で降りて歩いても差はないので、最近は専ら毎日新聞前から一ツ橋経由にしている。そこから白山通りを北上して壱岐坂から本郷経由で上野。単純に歩くだけなら小一時間というところ。


今日は時間が多少余ったのでコーシーでも飲んで行こうといつもと違う店を探してみた。そこでこんな店を発見。
TEA HOUSE TAKANO
しかし、紅茶という気分でもなかったので入らなかったが、帰ってきてネットで調べて後悔。これは入っておけばよかった。また次回よ。
結局入ったのは、「KO-HI-KAN TIME」という店。
チェーンの「珈琲館」と一緒なんか違うんか? それを調べたかったんよ。看板の色からして、もうアヤシイ。入ると豆はキャピタルコーヒー使用と書いてあるので解決。しかしキャピタルコーヒーなら素性は明らかやからハズレでもないと安心した。しかしもう1回行くかと言われると、すぐ近くの神田伯剌西爾の方が静か(こっちは三省堂の裏やから読書客がほとんど)なのでそっちに行く。不味いとも言わんが美味いとも言わんという程度ということ。


用事を済ませて北上、と思ったら奥野カルタ店が改装して綺麗になってるので早速寄り道。将棋の駒置きやら見ているうちに欲しくなったが、肝心の将棋盤も駒もないので、まずそこからや(笑い)。60万円の将棋盤とか考えられんわ。この店はたまに覗くと面白い。今日も花札やら株札を見ていてテホンビキやらハチハチやら(以下自粛)。
そこからはひたすら歩く。からくりドームを横手に本郷台地を登っていく。途中は省略よ。何にもなかったから。
久しぶりに本郷へ来た気がする。まともに歩いてきたんはそれこそ5年以上ぶりやろう。もっともここはあんまり来んかったから思い出すことも雀荘ぐらいしかない(笑い)。それすら潰れてなくなっている。きょうび、麻雀なんか学生はやらんのやろうな。もうネットとかそんなんがあるから。残っているもん言うと、イスのぼろい名曲喫茶麦とか、そんな骨董品ばかり。相変わらず作り置いて煮詰まった不味いコーヒーが出てくる。しかし、250円なので許す。少なくとも、隣にあるドトールよりは名曲鑑賞できるだけのアドバンテージがある。
赤門から三四郎池を目指すと、まあ観光客の多いこと。シーズンやもんな、受験とか。それにしても15年前に来た三四郎池は、こんなに人おらんかったで。来ても大したもんがあるわけでもないのに。公園歩くんやったら上野公園行きゃあええもんをなあ。
かくいうワシが三四郎池へ行ったのは、話すと長くなるので今日は省略。それだけで茶碗1杯ぐらいはいける話になる。とりあえず去年の暮れぐらいから暖かくなったら行こうと思ってたんや。


これは、イチョウ
これは、アラカシ…。
椎の木など、見当たらん(笑い)。単に植物の種類を知らんだけというのもあるけど。
石橋を渡ると医学部の方の端に藤棚があってベンチができてるから座って佇んでみた。何も考えんと文学部の方の木梢を眺めたり、池を周回しているカルガモを見たり。
鳥が多いんよ。ワシは詳しくないので何の鳥か分からんけど、しきりに囀っている。たまに鯉が水面上に跳びはねたりする。ふとした瞬間に、そうした生き物の休みが重なる。ワシは何にも考えていない。いいよなあ、このひと時。贅沢よ。1分1秒を争う現代で、全ての活動が停まったかのように思えるこの一瞬。
この15年で携帯やらパソコンやらで段違いに便利な世の中にはなったが、利便性と引き換えに失ってしまったものがここにはあるような気がする。
そこから昔のことをあれやこれやと思い返しながら、寒くなってきたので池之端から上野公園へ。まだ花見には早い。
ところで、池之端にあった変な形のビルはいつの間にかなくなってるなあ。