インケツの使い方

競馬場には必ずインケツのオッサンがいる。
毎日インケツやと、さすがにタネ銭が尽きてしまうけど、日替わりでインケツになるおっさん等がいる。
世界の博打の基本。それは「ツイてないヤツの反対を行け」。
これはもう鉄板。
カジノでルーレットをやる時は、必ず他のプレーヤーを観察してからにしなさいという。絶対にインケツのオッサン(高級版)がいるから。そのオッサンの賭けるのと反対に行きなさいという。
何? そんな他人任せでは面白くない? では自らインケツのオッサンになってもらおうか。
競馬場のインケツのオッサン。
競馬場のオッサンは、なぜか独り言が大好きだ。
誰も聞いちゃいないのに「今の惜しいよなあ」とか「これは(配当が)つくぞお」とか「ヨコノリなんか全然ダメだよ」と大声で話している。
誰に対してしゃべっているわけでもないが、実はそこにいるみんなに向かって話しているのかもしれない。
とにかく。
彼らの独り言は実に素晴らしい予想なのである。
「内田なんか信頼ゼロだよ。さっきから何回失敗しているんだ」
とオッサンが大声で独り言をすると途端に内田が勝つ。
いや、実はその前から3着とか2着を繰り返していたんだが。
そして最後には「もう今日は堅いのが来ると大損するから帰るべ」と言い残して去っていく。途端に荒れる。
今日も「最終の勝浦だ。これだけ買ってもう帰る」と言い放った。
しかし結果は堅かった。
よく見ると、後ろの席にまだ居座っていた。
そして「アレ(勝った馬)なんか一番いらねえと思ってたんだよぉ」
そういう大事なことは先に言ってくれ。
おかげでヒット1本損したわ!