吉野屋事件について

とある筋からキン肉マン吉野家の事件を聞いた。どうも最近この手の情報に疎くなってなあ。年を感じるんよ。
この事件、吉野家の現在の低迷っぷりをよく表していて感心した。
事件の概要を本当にかいつまんで説明すると。
発端はキン肉マンの連載開始29周年キャンペーンを事もあろうかすき屋で行ったこと。これについては知っていたが、なぜすき屋なんかねえと疑問には思った。
しばらく「真実」を黙していたゆでたまご先生が突如つぶやいた。ここから事件がハッテンする。
ゆでたまご先生曰く、

・最初は旧知の吉野家の窮地を救おうと29周年キャンペーンを持ちかけた。しかし、あっさり断られてしまった。
・その噂を聞きつけたすき屋の担当者がやってきて是非ウチでということになった。
・そもそも、吉野家集英社側が何を言っても「ウチでは全く考えてませんから」の一点張りだった。
ゆでたまご先生としては「倒産から復興できたのは、キン肉マンのアニメで毎週のように吉野家をイメージした吉野屋が登場したからだ」と考えていて、恩を仇で返された思いであると。
・同じ頃、某テレビ番組で「吉野家に名前入り特製丼を持っていくとタダで牛丼を食べられる」という都市伝説を確認すべく、ゆでたまご先生が出演した。かつて吉野家からアニメに登場させてもらった御礼にと特製丼をもらっていたが、今の吉野家の店舗に持っていっても何の効力もなかった。
・その放送をみて、吉野家が慌ててゆでたまご先生のところへタダ券を持って謝罪に行ったが、担当社員が「そんなにキン肉マンってすごいんすか」的な発言をしてさらに怒りを買った。
ゆでたまご先生は、そのような経緯をつぶやきつつ、最後に「吉野家のことを嫌いにならないでください」と付け加えた。

前後関係が多少違うかもしれないが、大筋に影響はないと思うのでこのまま。
ワシが思ったのは、
吉野家の商売下手さ。今さら何を殿様商売してるんよと。
ゆでたまご先生の不遜な態度。
集英社の編集者、君が一番ちゃんとせんといかんだろ。
吉野家についてはもう何も言うまい。こんだけ苦戦してたら、せっかくの助け舟に乗らないと。そういう経営判断もできんのやから、そらもう倒産したってしょうがない。キン肉マン世代(すなわちワシらの世代)は、牛丼ごときにもカネを落としてくれるというのに。
一方で、ゆでたまご先生もこれはかなり勘違いをしている。確かにキン肉マン吉野家が宣伝された事実はあるが、必ずしもゆでたまご先生のおかげで復興したわけではない。その要因の一部分にすぎない。「社史を全く知らない社員のいる会社では」と憤慨されたそうだが、そういう社史にはなっていないのだろう。
言うならば、「吉野家はワシが育てた」という態度。ワシが育ててやったのに今さら逆らうつもりか。何様のつもりだ。という。ここで某AAが思い浮かんだ方はネットのやり過ぎなので控えましょう。
一体、何歳の担当者が来たのか知らないが、キン肉マンを知らない社員がいてもおかしくはない。それこそ20代なら見ていなくても当然。それを吉野家の社員ならキン肉マンを全員見てるだろうという短絡的な発想で憤るなんて大人気ない。最後に蛇足で吉野家への配慮っぽいことも書いているが、笑っていても目は笑ってないというヤツだ。そこまでけなしておいて「嫌いになるな」なんて空々しい。
何より。間に集英社の担当者は全くかまなかったのか? そういう雑事を調整するのも担当者の仕事じゃないのか? いや、執筆に集中してもらうためにも余計なことは担当が代わりに対応すべきところなんじゃないのか?
間に人が挟まった方が伝言ゲームになってこじれるということもあるが、有能な編集者ならそこは双方うまく丸め込むところ。そういう調整能力こそ、編集者には要求されるのではないだろうか。単にアイデアだけ出してりゃいいってもんじゃない。
三者とも今後のハッテン性のない、非常に程度の低い喧嘩をしているなあと。
もっとも、これはゆでたまご先生の側から一方的に出てきたコメント等なので、どこまで信用をおけるのか、どれだけの客観性を有しているのか、と疑問がある。真相はもっとドロドロなのかもしれない。
いずれにせよ、吉野家はそんなに先は長くないと思う。