ペースから考える馬券

10年ぐらい前から前半のペースと上がり3ハロンとの関係に注目して馬券検討ができないかと考えていたが、自分の中でしっくりくるものが出来上がった。
当初は (前半の3ハロン換算タイム)÷(上がり3ハロンタイム) を数値として出して、適性を調べたりしていたが、当然、走るコースによって変化するので困ったまま長年放置。
単なる前後半のバランスだけではない。前半のペースそのものも重要なのだと気がついた。


ラップタイムを、次のように分類する。
3ハロン換算  ペース  上がり
〜33.0     A    1
〜34.5     B    2
〜36.0     C    3
〜37.5     D    4
〜39.0     E    5
〜40.5     F    6
40.6〜     G    7


例えば、前半を36.5秒、上がりを35.0秒で走ってくれば、「D−3」とそのペースバランスを表記することとする。
調べてみると面白いことに、東京や京都の芝コースでは内外、距離の長短に関係なく、上がりは「3」がベストなのである。
逆にどれだけ短い距離でペースが遅くても、「1」の上がりは出ない。極稀に出ても勝ち負けにはならない最後方から詰めただけのケースであったりする。
勝つための上がりタイムの範囲が決まっているので、勝つためのペースというのもある程度限られる。あまり遅すぎても鬼脚は使えないし、速すぎて末を失っても勝てない。
そこでコース毎に「勝つためのペース配分」がある程度見えてくる。
東京芝1600の場合は、「C−3」が基本である。ただし、G1ともなれば上がりが速くなるので「C−2」が必要だ。


ヴィクトリアマイルで検証してみると、

2010 ブエナビスタ 35.3-33.5
2009 ウオッカ 35.4-33.4
2008 エイジアンウインズ 36.1-33.4
2007 コイウタ 35.4-33.4
2006 ダンスインザムード 36.1-33.8(稍重

2008年と2006年は「D−2」だが、限りなく「C−2」に近い。
そして、よほど馬場が悪くならない限り、上がり33秒台は必須だということも分かる。
勝ち馬を探そうと思ったら、この条件に合致するレースで好走している馬を選べばいいのだ。
今年は月曜からこんな天候なので不良とはいかないまでも稍重ぐらいはあると思う。2006年に近いタイムではなかろうか。その場合、「C−2」で好走していれば優勝候補と言える。ちなみに、この条件、なぜか桜花賞の勝ち条件と重なるので、桜花賞好走馬が強い。
今回の出走馬でここ5走で33秒台の上がりを複数回使ったことのある馬をピックアップすると、
アンシェルブルー(D−2、C−2)3着、1着(1600万)
エーシンリターンズ(D−2、C−2)7着、1着(1600万)
ブエナビスタ(E−2,D−2)2着、2着
レディアルバローザ(D−2、C−2)4着、2着
の4頭。実はここにブエナビスタの死角がある。つまり、速いペースでは後ろに置いていかれるので、いくら速い上がりを使っても届かない可能性があるのだ。
他に1回だけでも「C−2」上がり33秒台で好走したことのある馬は、
アニメイトバイオ ローズS1着
アパパネ マイラーズC4着
コスモネモシン 福島牝馬S2着
の3頭。先の4頭に比べると格上のレースでの好走が多い。アパパネ桜花賞も当然「C−2」だ。
アニメイトバイオブエナビスタ同様に置いていかれる可能性が高く、逆転は考えにくいが、度々Cのペースで走っているアパパネならありうる。
点数を限りなく絞るのなら、「アパパネブエナビスタ」の馬単1点でよかろう。