アヒルと鴨のコインロッカー

はげしく馬券検討する気力が起こらないのでツタ屋へ行ってDVDを借りてきた。
伊坂作品の映画化乱発に関しては、視的イメージを固着化させるのでどうかと常々指摘してきたが、観ずにあれこれ言うのもよくないわなと最近思いなおして一度観てみることにした。
原作がまだ展開に関して粗いというのもあるが、うまく再構成されている。ただ麗子さんに関してすでに河崎の死を知っていたり、瀕死の江尻を発見したりというように変えられているのはどうかとも思う。原作は河崎が実はドルジだと知らなかったからこその展開でもある。後者については、あの状況の江尻を発見して通報するというのはまず第一発見者が疑われる。少し不自然さが目立ってしまうと思うのだ。ただ、そういうところを抜きにして、きれいにまとめられているとは思ったし、映画ならではの方言の違い(仙台と山形の)のような遊びもあって面白かった。ただ、やっぱり映像化するのは、特に河崎とドルジについてネタバレしないように進めて行くのは難しいよね。あれは文字表現の特権。