それはやりすぎだろ

東海テレビが例の番組を打ち切るという。
スポンサーが何社も降り、自称「視聴者」からのメール等は1万件以上だという。
これは異常な事態だ。
まず、「視聴者」と言っているが、実際に毎回その番組を見ていた人というのはどれぐらいいるのか? ことによると1回も見たことがない、そもそも東海テレビなど映らないという人がほとんどなんじゃないのか?
この手の苦情を送っていいのは、実際に見た人だけだと思う。見もしないのに、他の人もやってるからとか義憤に駆られてとか、勢いでメールしちゃってるのは考え物だ。1万件のメール処理って、どれだけの労力がかかって、サーバーにどれだけの負荷を強いるか分かっているのか。やっていることは、はっきり言えば嫌がらせだ。威力業務妨害で訴えられたって不思議じゃない行為だ。
「けしからん」とか「何やってんだ」と思う気持ちは分かる。しかし、見もしない、というかそもそも見られもしない人たちから言われても受けた方は困るだけだ。
電話ってのはその点いいよな。かけたってつながらないんだから。何回もかけ直してるうちに、本当に見ていて不快感を覚えた人でもなければ諦めるもの。そこで冷める程度の「苦情」なら最初から言わない方がいいのだ。言わなくても済ませられるんだから。
もっとたちの悪いのがスポンサーだ。自分とこの商品を酷い扱いにされたJAが憤るのはごもっとも。しかし、そうではないスポンサーが問題だ。要するに「ここで抗議の姿勢を示せばウチのイメージが上がる」とか「一般市民からブーイングを浴びている番組に金を出し続けたらブランドイメージが落ちる」とか。あまりに日和見主義すぎる。自分とこの経営方針に確固たる芯はないのか。
男前のスポンサーなら、ここは東海テレビと共に再起を図るべきだろう。「おたくのとこも大変だろうけど、ウチは応援してますよ。もう1回がんばりましょう。」とか言って支援してやるべきじゃないのか。
英語の「sponsor」には後援者という意味のほかに、保証者という意味もある。その番組を、そのテレビ局を支援するだけでなく、これは確かであると保証するのもスポンサーの役割ではないのか。その保証人が真っ先に降りてるようでは、一体何を信じてテレビや新聞、雑誌を見ればいいのか?
結局のところ、テレビ局をはじめとするマスゴミも、それをとりまくプロ市民も、企業も、みんな自分の利益しか考えてなくて、不利な立場にならないように常に弱者を作り出しては寄ってたかって弱いものいじめをしているだけなのだ。こんな連中の何を信じろというのだ?