暗黒日本

自治体首長の発言が物議をかもしている。
自分の信念を貫き通すことは政治家として素晴らしいことだろう。太鼓持ちみたいな人間じゃ何にもできない。
今回は問題が2点あるように思う。
その歴史認識が正しいのかということが1つ。確かに南京大虐殺に関しては諸説ふんぷんで、30万人もの市民が虐殺されたという説もあれば、一切なかったという説もある。共通していえるのはどの説も決定的な史料を欠いているということだ。
個人的には、あれは一部の日本軍が200人か300人ぐらいぶった斬ったのを尾鰭どころか羽根までついて、日本軍組織ぐるみで20万人だとか30万人を虐殺という話になったんじゃないかと思う。伝言ゲームみたいに伝播していくうちに話がどんどん誇張されていくというよくある話だ。
それはともかくとして、歴史に正解はない。1つの事件をとってみても多角的な見方ができる。違う角度から見れば同じ事件も全く異なる意味を持つ。たとえば昭和20年8月15日は日本にとっては屈辱的な敗戦の日であるが、中国側から見ればクソ日ざまぁという日だ。物事の切り取りようによっていくらでも歴史を作ることができるのだ。
さらにいえば、無数に連なる「歴史的事件」の中からどれを歴史教科書に採りあげるかということ自体が思想の反映である。都合の悪いことは書かずに済ますのが為政者の常套手段だ。それを「間違っている」と叩くのはそこにある政治システム自体が間違っていると叫ぶことだ。
日本人と中国人との間で南京大虐殺に関する見解が一致するわけないのだ。一致したとすれば、それはよほど自虐的な人間がどちらかにいるのだろう。
2つ目の問題はTPOだ。これは某首長がバカであるとしかいいようがない。中国人、しかも南京の人間に向かって「南京大虐殺はない」という旨の発言をするか、普通。思ってても言わないだろう。たとえれば、ヤクザの事務所に殴りこんで「お前らヤクザだろ。このヒトデナシが!」と叫ぶようなもんだ。そりゃヤクザの中の人だって「なんだテメエ、コノヤロウ!」「やんのかコラァ!」「テメエ、殺すぞコノヤロウ!」となるだろ。自分の信念があったとしても場をわきまえて発言するべきだ。とくに大きな自治体の首長ともなればなおさらだ。思いつきで発言してはいけない。この点に関して言えば、南京市は市長が代わるまで友好的交流は絶った方がいいと思うぞ。
まあ、この人の場合はかわいいもので、本当に何も考えずに行動しているように思える。
西日本最大の政令指定都市の首長は、あれはわざとやっている。わざと物議をかもして話題づくりをしている。そして世論を焚きつけて大火災を起こそうと目論んでいる。いかにも正義の味方のようにふるまっているが、間違いなく黒いことをたくらんでいる。人気さえとってしまえば何でもできてしまうのが今の日本の政治だ。逆に人気をとらなければ何にもできない。これを打破するためには恐怖政治を敷ける体制に人気の勢いで変質させることだ。それを目論んでいるように思える。発言が毎日人権蹂躙で人を人と思っていないように感じられる。大阪市は踏み台にすぎない。ヤツの本当の目的は日本を独裁支配することだ。