よいお年を

大井は3つ買って最終のおおとりOPのみ的中でちょいマイナスの大晦日。まさかあそこでノットオーソリティがコケるとは思わんやろ。
正月のモチの買い出し込みで本八幡へ年越しそばを食らいに出かけた。中山へ越してきてからはほぼ毎年本八幡の一茶庵での年越しそばである。(中山の一茶庵は「しばらく休みます」と貼り紙して2年になるからもう事実上潰れたようなもんだろう。)
ここは中庭の見える座敷でくつろぎながらまったりと過ごせるので結構であります。できることなら酒でもやりながらのんびりしたい(実際、時計がないので時間の経つのを忘れる)ところだが、大晦日に一人客が居座ると迷惑だろうからさっと退散。
で、駅前を探検していたら思わぬところに中古レコード屋を発見してしまった。
都営新宿線のA2出口の通路の片隅にある店だが、基本、レコード屋でCDもついでに置いてるよという感じ。近隣では絶滅危惧種のタイプの中古屋だ。(首都圏はディスクユニオンにかなり駆逐されとりますからなあ。)
大阪の日本橋にはこんな店がゴロゴロしとった(それでもこの10年でずいぶんと潰れた。)が、なかなか居心地がいい。
店主の気に入った曲だけをかけて、ワシのオススメ買わんかいというポップをケースの背に貼って。大体こういう店のオッサンは話好きで1つ質問をしたら10倍返しされる。
嫌いな人は徹底的に嫌いだろうというタイプの店ですな。
オッサンの勧めるまま、ジェリー・マリガンの「Night Lights」を購入。

NIGHT LIGHTS

NIGHT LIGHTS

ジャケットもシャレオツだが、店主のセリフがすごい。
「これは夜聴け!」
おお、中山康樹みたいだ。
別の客が実際に朝から聴いてみたところ、あまりの緩さにやる気をなくして会社をサボってしまったそうだ。
帰って夕闇の中、さっそく聴いてみる。(実はプレーヤーのトレイが故障していて直すのに小一時間かかっている。)
ああ、なるほど…
分かる気がする。
朝から聴いてテンションの上がるアルバムではない。むしろ「おやすみ」という流れだ。
澤野工房にやはり「夜」をイメージした「La Nuit」というアルバムがある。
Hymne A La Nuit

Hymne A La Nuit

これはジャケも凝っていて面白いが、音楽は「静」というよりも「動」と表現すべきものもあり、すんなりと「おやすみ」とはならない。例えるなら、「La Nuit」は都会の夜で、「Night Lights」は田舎の夜だろうか。こじゃれたピアノの旋律が耳に残る前者は華やかなザギンの夜で、バリトンサックスやトロンボーンのゆったりとした低音の響く後者は牧歌的風景の残る千葉(というか、中山の近隣なんかぴったりですわ)の夜。とすれば、ウチで聴くのはまさに後者しかなかろう(笑い)。
ジェリー・マリガンは今まであまり聴いたことがなく、関係しているアルバムでもマイルスの「クールの誕生」ぐらいしか持っていないが、機会があれば他のアルバムも聴いてみたい。
というわけで、まったりと年が明けていくのでありました。よいお年を。