メトロノース事件について

メトロノース事件とは、今週木曜日の船橋競馬において、準重賞のチバテレ盃に出走したメトロノース号の斤量を誤ったまま出走させて成立させてしまった事件のことである。
これについては山ほど言いたいことがあるけど、あまり時間もないので要点だけ書くことにしよう。
まず最も重要な点は、船橋競馬の怠慢な体質である。
減量騎手が乗るから2キロ減、とついやってしまうのは分かる。人間のやることなのでミスは付き物だ。これは責められない。が、公正競馬をうたっている以上、ミスが起きることを前提としたチェック体制を敷いておくべきである。そこが船橋競馬には欠けている。
しかも、船橋競馬は似たような事件をわずか半年前にやってしまっている。5月の東京湾Cに出走した「パンパカパーティ」号のゼッケンを誤って「パカパカパーティ」と記してしまった。これ自体はゼッケンに書かれた馬名の誤りだけなので笑い話で済んだ。だが、この件が教訓として全く活かされてないことが今回判明した。私はここが一番怠慢だと思うのだ。なぜ、問題が明らかになった時点で対策を練らないのか?


話は逸れるが、25年度で川崎競馬が累積赤字を解消した。浦和競馬もすでに累積赤字を解消している。なのに、船橋競馬はなぜ解消できないのか?解消できないどころかまだ単年度赤字すら出している年があるのはなぜか?
要因はいくつもあるだろうが、その中でも大きなものがこの怠慢な体質だと思うのだ。
船橋競馬に出かけてよく聞くのが「船橋は大井や川崎に比べて配当が安すぎてつまらない」という声だ。毎度パドックの周りで耳にする。
なぜ配当が安いかというと、
・出走頭数が少ない。
・毎回同じようなメンバーでレースをしていて、能力差がはっきりしすぎている。
ここら辺が大きな要因だろう。在籍馬の多い大井はともかく、川崎や浦和の出走表を見ていると他場からの遠征馬が多いことに気づくだろう。浦和なんか出走馬の半分が遠征馬ということもある。ところが、船橋にはあまり遠征してこない。
船橋の馬の質が高いといっても、それは上級条件だけで、C級だとはっきりいって大井も浦和も一緒ですよ。浦和は全体的にC3クラスの馬が多くて、船橋だとC2の割合が多いだけ。同じクラス同士ならほぼ互角のはず。それは調教師だって馬主だって分かってるだろう。ただ遠征は輸送コストがかかったりローテの問題があるので避けられているだけだ。だが、対策を講ずれば遠征してくるというのは浦和競馬を見れば分かる。浦和にできて船橋にできない。単に組織の体質の問題なんじゃないのか?(その点、浦和競馬は大半のレースでフルゲートになってる。開催日程が少ないにしても大したもんだと思う。)


この話題を続けていると1週間ぐらいかかるから話を元に戻そう。
メトロノース事件の問題点その2は、厩舎や騎手の問題だ。
厩舎は登録したところで出走想定表のようなものを主催者や競馬新聞の会社からもらうと思うんだが、そこで斤量を見てないのか?このレースに使えばどんな斤量になるのか分かってないのか?
分かっていて、「しめしめ、船橋のバカが斤量間違えてやがるぞ」と黙っていたら、人間的にアウト。こういう人間は公正競馬の観点から排除すべきだ。
分かっていなければ、調教師免許を剥奪するなり、停止するなりの処罰を検討すべきだ。調教師試験を受ける時に関連法規について出題されているだろう?準重賞で減量が効かないってのは最近始まったことでもあるまい。そんなことも分かってない者に免許を与えていいのか?
計算もしないで、とにかく登録できるレースには登録して使っちゃえというのなら、まあ、情状酌量の余地はあるか。馬券を買う側からしたらそういう厩舎の馬は買わなければいいだけの話だし(今回の厩舎はこの可能性が最も高いと思う)。
騎手も一緒ですよ。
ところで、今回の件は、瀬川騎手の申告から発覚した。瀬川騎手は分かっていて黙っていたということはないので人間的には優れている。
だが、乗る前に、「53キロ」と言い渡された時点でおかしいと思わなければならない。なぜ自分だけ2キロ少ないのかと。これは法規を理解できていない可能性が高い。あるいは、自分の乗るレースについてあまりよく考えずに乗っているかだ(この場合だと、そういう騎手は買わなければいいだけの話だ)。
NARの騎手免許試験がどうなってるのかはよく知らないが、少なくともJRAの騎手免許試験だと重箱の隅をつつくような法規の問題が出ているはずだから、そういうルールについてはよく競馬学校で勉強させられているはずだ。普通に考えたらNARも同じだと思うが、全く意味ないですよね。免許とって1年もしたらすっかり忘れてるんじゃ。今回の件って、そんなに特殊事例じゃないですよね??
何のための免許ですか?
こんな形式だけの試験だったら筆記試験なんかやるだけ無駄でしょ?


2点とも「公正」という観点からは疑問符がついてしまう。
こんなんじゃ「八百長だ!」と言われても仕方ないと思う。
関係者各位は大いに反省し、対策を立ててほしい。
特に船橋競馬。オートの廃止を対岸(まさに対岸ですな)の火事だと傍観してたり、「ウチでなくてよかった」とか安堵してる場合じゃないですよ。
船橋競馬に毎開催通ってるファンだからこそ、潰れてほしくないので、あえて苦言を呈してみました。