枠順についての考察
これは半分個人的な覚書も兼ねています。
騎手のコメントにもたびたび「枠順に恵まれた」「敗因は枠順」と枠順が登場します。
アンカツに言わせると、単に枠の内外だけではなく、並びも重要だということですが、そこはなかなか一般化(数値化)しづらいところでもありますので、単純に枠の内外だけで考えてみます。
考え方として、コーナーの数で内外の有利不利は違うと思います。コーナーの数が増えるほど、外枠はロスする距離が増える可能性が高くなります。そこで、コーナーの数ごとにグループ化してみました。
また、芝とダートとでは経験的にダートの方が外が出ているような気がします。内側の砂が深いとかいった理由があるかもしれませんが、理由は考えずに単純に数値だけ出してみましょう。
データは全て2015年の1年分です。
1ターン・芝 1〜11番有利
平均勝率6.7%。平均3着率20.2%。
勝率ベースだと、1〜4、6、9、11が平均以上。3着率ベースだと、1〜6、8、11が平均以上。
5番、7番、8番、10番の勝率は平均以下とはいえ、6.5%か6.6%とほぼ平均レベル。そう考えると、1〜11番までが有利と考えてよさそうです。
1.5ターン・芝 1〜9番有利
ここに含まれるコースは、札幌芝1500、東京芝1800、2000、中山芝1600、中京芝1600のみです。
平均勝率7.1%。平均3着率21.2%。
勝率ベースだと、1、2、4〜7、9、10、15、16が平均以上。3着率ベースだと、1、2、4〜7、9、16が平均以上。
3番8番の成績が悪いのは理由は分かりませんが、概ね9番より内が有利といえるでしょう。
2ターン・芝 1〜8番有利
平均勝率7.3%。平均3着率21.8%。
勝率ベースだと、1、2、4、6、11が平均以上。3着率ベースだと、1〜8、12が平均以上。
勝率ベースで見えてくるのは、偶数番が有利ということ。後入れがいいということでしょう。ただ、これだけだと法則的なものは見えてきません。3着率ベースで全て平均値以上の8番より内が有利という結論でいいでしょう。
3ターン・芝 1〜3番有利
サンプル数が最大48と少ないのもありますので、2013〜2015年の3年分を見てみますと、
平均勝率7.4%。平均3着率22.3%。
勝率ベースだと、1〜3、5、10が平均以上。3着率ベースだと、1〜7、10が平均以上。
注目点は、1〜3番の勝率の高さで、順に11.2%、13.2%、11.1%です。次に高い10番が8.8%、5番が7.6%ということを考えたら異常です。
そこも踏まえての結論としては、10番がいい理由は分かりませんが、単純化すれば1〜3番がベスト、1〜7番なら許容範囲というところでしょうか。厳密に単勝ということに特化して考えたら、他とは勝率が圧倒的に高い1〜3番でいいでしょう。この条件はレース数も少なく1000万以上のレースもかなり限られているので、たまたま買える条件に出くわしたら買うぐらいのつもりでいいんじゃないでしょうか。
1ターン・ダート 4〜11番有利
平均勝率6.6%。平均3着率19.9%。全条件で最も出走頭数の多い条件です。
勝率ベースだと、2、4、6〜11、15、16が平均以上。3着率ベースだと、4、6〜8、12、14、16が平均以上。
ダートはどの条件でも当てはまることですが、内枠があまりよくない。理由はいろいろ考えられます。単純に内側の砂が深い、よく走る場所なので砂の粒子が細かい、砂をかぶって馬が嫌がる、スタートで外からかぶされてポジションが悪くなる、それを避けるためにスタートから出していって最後に脚がなくなるなど。ただ、それはどうでもいいと思います。事実、内枠がよくない。そういうことです。
2番は勝率では健闘していますが、6.7%と少し上回っている程度で、3着率19.0%という数字を考えるとやはりあまりよくない。逆に9〜11番は3着率が19.6%、19.5%、19.7%と少し平均を下回っている程度。それを考慮すると、4〜11番が有利といえるでしょう。
2ターン・ダート 4〜12番有利
平均勝率7.1%。平均3着率21.3%
勝率ベースだと、1、6、8〜13が平均以上。3着率ベースだと、1、4〜6、9〜12、16が平均以上。
内すぎず、外すぎず、というのがいいように思えます。1番だけはいいのですが、3番まではあまりよくない。4〜12番が有利ということでいいでしょう。
3ターン・ダート 4〜10番有利
芝同様にサンプル数が少ないため、3年分を見てみました。
平均勝率7.7%。平均3着率23.2%。
勝率ベースだと、3〜6、8〜10が平均以上。3着率ベースだと、4〜6、8〜10、13が平均以上。
やはり、内すぎず、外すぎず。7番が悪い理由は分かりませんが、4〜10番が有利ということでいいと思います。
まとめ
芝は、予想どおりコーナーが増えるほどより内枠有利の傾向が見てとれます。一方、ダートではあまりコーナー数の影響が見られず、むしろ1ターンと2ターンでは逆転現象すら起きています。微差でもありますので、ここはダート1ターンも2ターンも12番までOKとしてしまっていいかもしれません。
下に一覧表をまとめておきましょう。
左から芝、ダートの有利な馬番。
1ターン 1〜11 4〜12
1.5ターン 1〜9
2ターン 1〜8 4〜12
3ターン 1〜3 4〜10