トルストイ「幼年時代」

幼年時代 (新潮文庫)

幼年時代 (新潮文庫)

細やかな描写や祖母への贈り物がもつ伏線とか小説としてはいいものなのかもしれんが、個人的にはそんなに評価できんよ。
幼年時代の終焉を告げる二人の死があまりに簡単にすぎる。単なる事件としてしか描かれず、一つの時代の区切りとするには弱すぎる。
もっとも、そこを掘り下げないからこそ「幼年時代」なのかもしれない。