パドックの見方

ひとつ、コーナーでも設けてみようか。余裕がある限り、現地からパドックレポートとかできればと思う。
最初に。
根気がないと無理我慢できない、手っ取り早く稼ぎたい、という人には絶対に勧めません
競馬番組の大半を占める条件戦(未勝利戦も含む)は、基本的にほとんどの馬に勝ち目があると思って差支えがない。というのも、勝ちきれないからそのクラスに居続けるわけだし、何かの拍子で勝ってまた上のクラスで同じことを繰り返す、あるいは能力的に限界を迎える。
オープンは別。あそこは完全に能力の差。パドックが悪くても能力が抜けていれば勝てる。展開が向かなくても勝てる。ディープインパクトで分かったと思う(それでも展開の綾で負けたりするんやからね)。
それゆえに、条件戦での勝ち馬を探す方法は、

1.まず能力的に問題外の馬をはじき出す。これは簡単。
2.展開が有利になりそうな馬をいくつかピックアップする。ただし、展開を読むのは難しいので完璧を目指すのは無理。ここらへんまでで10頭以内に絞れれば8点満点中4点。5頭以内に絞れれば6点。
3.そこまでの検討をまったく白紙に戻して(頭を切り替えて)、先入観なくパドックを見ることで状態の良し悪しを掴む。
4.パドックがよかった馬と展開が向きそうな馬とが被れば買い。被らなければパドック優先(展開読みは外れることが多いから)。

僕のやり方としては、2の手順まではFBIを出すことで概ね終わり。後は実際にパドックを見て、ということになる。


そのパドックの見方だが、本屋にいけば何冊もその類の本が並んでいると思う。僕も実際に読んで試してみた。けど、役に立たないねえ。トモの張りとか、目つきとか、ものすごいのになると球節とか繋ぎまで解説してたりする。そういうのはセリで馬を買ったり、一口に応募する時には役に立つのかもしれんけど、パドックで体調を見るのには全く役に立たないと断言する。トモが張ってなくても調子がよければ、それなりの能力があれば走れる。
じゃあどこを見ればいいのか?

○ 部分は見ない。全体を見る。
細かいところ(腹回りが太いとか細いとか)は見なくていい。全体の動きを見る。これが鉄則。
具体的には、
・動きがスムーズ
これが一番大事。スムーズでないというのは、疲れがたまっていたり、どこかに痛いところがあったりするから。滑らかにスッスッと前へ進んでいるのがいい。
ダメなのは、歩を進めるたびに腰が「ぴょこぴょこ」と上下に動く馬。これはどこかをかばいながら歩いていると思われる。
逆に多少イレこんでいても落ち着いた瞬間に滑らかに歩いていればOK。ずっとイレこみ続けているのは問題があるけど。
・走る馬は目立たない
ある程度経験を積んでくると1着の馬のパドックでの印象が思い出せないことが多いと思う。それは勝つ馬の動きが目立たないからだ。
モノの本によく書いてあるのは「外を気分よく周回している馬は買い」。これはほとんどの本に書かれているけど、半分当たっていて半分間違い。穴馬で2着とか3着を探すならこの手の馬でいい。能力以上に走ったり、思わぬ展開(それまで出遅れて差しだった馬が好スタートから逃げ粘ったり)になることがあるから。ただ勝つのは、別。
落ち着いていて、動きがいいのでスッと前へ進んでいる。
逆に動きが目立っている馬は、勝ち馬ではないと思っていい。トモの送りが異様に速いとか、踏み込みがめちゃくちゃ深くてグングン前に進んでいくとか。
そういう馬を利用して勝ち馬を探すこともできる。動きが目立つ馬がものすごい勢いで歩いていく後ろを平然とつけていく馬、これが勝ち馬候補。同じスピードで歩いているのに一方は100の力で、一方は70の力で。どっちが能力というか体調が上か? 考えたらすぐに分かること。その反対も一緒。必死で追いかけている馬の前を平然と歩いてるのも買い。
後は、1頭だけ離れて歩いている馬。これは覇気がない馬と区別しづらいけど、買える馬はのっそり歩いているようで意外に速いペースで歩いているから後ろとの差が詰まらなかったりする。覇気がないのはすぐに追いつかれるから。

これだけ。この2点をいくつかの角度で見ることだけ。ただし、言葉で書くのは簡単だが、実際の感覚を掴むにはセンスか経験を積むしかないと思う。センスのある人はこんなん読まなくても自分で分かると思うので、とにかく真剣に出走馬全部を見ること。僕は本当に真剣に全出走馬を視て(眺めるのではない)、3週間でようやく掴みかけてきた。その間、500頭以上を視てることになる。自分でもよう視たなあって自信にはなるよ。
手っ取り早いのは、単勝1倍台の馬で武豊とかナニガシの兄弟とかそういう要素抜きのんを視ること。そのレースはその馬だけ視て、その後で他の馬を視たら違いが分かってくると思う。