再び3コーナーと4コーナー

何週か調べてみたけど、どうも上がり3ハロンタイムを2/3に按分するというやり方はうまくいかない。逃げ馬が逆噴射すると5番手ぐらいでも実質速いペースで走っていたことになってしまう。
もし上がり3ハロンタイムを使って何かをやるなら、もうそれはどこの位置が残り3ハロン地点であろうとそれを使うしかないと思う。幸いなことに新潟の直線と外回りを除けば全てのコースが3コーナーから4コーナーの勝負どころに位置しているので、4コーナーのポジションとは別に、上がり3ハロンタイムのコース毎に限界値を設定してやればいいのかなと思う。


で、ペースと上がりの関係は単純に3ハロン分にしたペースタイムのコース平均との差が+−逆になって上がりに影響してくると。これが最も簡単な図式。


具体例。
京都3200m。言わずとしれた春天しかないコース。出走馬は毎年そう顔ぶれが変わらず馬場状態も開幕して2週目なのでかなりよい。ブレが少ないこのコースで調べてみた。
過去10年でレースの上がりが33秒台になったのは1回だけ。ディープインパクトが勝った年。それを除くと上がりタイムはまず34秒半ばよりかかっている。
ペースとの関係をみてみると、これはかなり差があって5秒以上の差がある。にもかかわらず、上がりタイムは36秒台ということはない。遅くとも35秒台には収まっている。ということは、やはりペース(2600m)と上がり(600m)の分で、ペースの誤差に26分の6を掛けてやった分が上がりへ影響するタイムとみていいかもしれない。
何よりも、「京都外回り3200mでの上がりタイムの限界は34.0秒」らしい。33秒台で上がってきた馬はたったの3頭しかいないのだ!

ディープインパクト(2006年1着 33.5)
リンカーン(2006年2着 33.7)
サンライズペガサス(2002年5着 33.7)

あの強烈なタヴァラマジックが印象深いマヤノトップガンでも34.2で、スペシャルウィークメジロブライトでも34秒は切れなかった。
これがこのコースの特徴と断言できるだろう。
どんだけペースが遅くなっても34秒を切るのは余程のレベルの馬でないと無理。というよりまず不可能。逆にある程度速いペースになった場合は34秒よりもかかってきて35秒台で最速上がりタイムになったりする。ただ、そこまでの「遊び」がかなり大きくて、ペースが多少速いぐらいでは後方からは上がりの速い先行馬を捕らえきれない。


では、東京の上がりタイムの限界はいくらか?
過去5年間で調べてみたところ、33.5秒以内の馬は延べ267頭もいる。G1はもちろんのこと、中には未勝利戦も混じっている。つまり平凡な馬でもマークできるのである。
では、33.0秒以内は?
これは28頭。うち8頭が2005年の秋天で、さすがに未勝利クラスはなく、2頭いる500万条件での馬もハットトリックハイアーゲームで後の重賞勝ち馬なので実質的に上級条件でなければ出せないと見ていい。
最速タイムは2005年毎日王冠でのテレグノシスと2005年秋天でのハットトリックがマークした32.6秒。どうも2005年の秋はかつてないぐらいに馬場が速かったらしい。それでも32.6秒。これが限界だろう。というよりも33.0秒というところがほぼ限界で、めちゃくちゃ馬場状態がよくて馬の能力があってペースが遅いという条件を満たしてやっと33秒の壁を破れるか?というところ。


さらに福島を見てみる。
過去5年間で上がり33秒台の馬は、たったの29頭しかいない。それも大半が1000万以上の上級条件である。最速は2006年秋福開幕週の福島民友Cでオーゴンサンデーがマークした33.1秒。これがブッチギリで速く、33.5秒というのが2頭。同じレースでハッピートゥモローがマークしたのと、今年の夏福開幕週でコスモユウコリン新馬戦でマークしている。(考えてみるとコスモユウコリンってかなり強いのかもなあ。このふざけた名前の馬が)
まずこれを超えるのはほぼ不可能。なんせ500m以上直線がある東京とは違い、600mのうち半分はコーナーを回っているわけやからね。
頭数を考えても33秒後半が限界と思われる。


とまあ案の定、上がり3ハロンタイムでコースの特徴がつかめそうで、しかも「遊び」を考慮してやれば「遊び」の大きい開幕週では先行有利、「遊び」がなくなるにつれて差しへシフトしていくというのが示せそうな感じである。
時間がかかりそうなので、来年ぐらいまでにまとめられたらいいなと思う。
とりあえずは対症療法で「勝ちポジ」探しでもして残り7週を健闘しよう。