構想

馬場状態の「遊び」についてはこの間から何回か触れてきたけど、大体まとまったので書き留めておこうと思う。


まず2軸の平面を想像してください。
x軸にはペースの3ハロン換算タイム、y軸には上がりの3ハロンタイムをとります。
以前使っていた「3F指数」の考えを流用します。
これは、反比例のグラフを描くというもので、ペースが速くなれば(x軸が左に行けば)上がりタイムの変化が大きくなる。逆にペースが遅くなれば(x軸が右に行けば)上がりタイムの変化はほとんどなくなるという考えです。
分かりやすく言うと、ペースが33.0秒と33.5秒では上がりタイムへの影響は大きくなりますが、ペースが40.0秒と40.5秒ではほとんど上がりタイムへの影響はないということです。


ここに、各コースのペース・上がりの「限界点」としての漸近線を設けます。
上がりで言えば東京芝2000mは33.0秒ぐらいですが、福島芝2000mは34.0秒ぐらいになります。コースによって漸近線の位置が違う。これが1つ目のポイント。


次に、馬場状態によって漸近線を移動させます。馬場状態がよければある程度までは速い位置に漸近線が動き、馬場が悪くなれば際限なく漸近線が大きい方へ移動します。当然、同じ馬場なのでx軸とy軸の漸近線は同じだけ動きます。
しかし、元々が漸近線と基準となる双曲線の間隔はx軸とy軸とで違うわけですね。
まあ仮にペースの方が余裕があるとしましょうか。
馬場がよくなれば漸近線は基準双曲線から離れていきます。合わせてペースも速くなっていくわけですね。馬場がいいわけですから。ところが、ペースが速いほうへ動くと双曲線でも極端な動きをするところへ移っていくので、ちょっとでもペースが速い方が基準点がぬるくなるわけですよ。実際にはそこまで上がりはかからない。だから少しでもペースの速い先行馬が有利になるというわけです。
逆に馬場が悪くなれば、今度はペースによって差がつかなくなります。基準点はほぼ同じですが、そうなれば、実際のタイムはペースが速い方が有利です。だから先行馬に有利になる。
どちらもものすごく極端な場合ですが、そこまで行ってしまうととてつもなく先行有利な馬場状態になる。それがパンパンの開幕週であり、雨のよく降った道悪競馬なわけです。
これが2つ目のポイント。


馬場差を求める式を書いてみると、

( ペース − ペース漸近線 + a )×( 上がり − 上がり漸近線 + a )= n(一定)

馬場差aを求めるには、二次方程式を解くことになりますので、解が2通り出てきます。この解の小さい方が馬場状態が良い方で、大きい方が馬場状態の悪い方の馬場差ですね。


本当にこれが正しいかどうかは実際のデータを検証してみる必要がありますが、今は時間がないので、また年末年始の休みにでもまとめてやってみようかと思います。