芥川龍之介「河童・或阿呆の一生」

河童・或阿呆の一生 (新潮文庫)

河童・或阿呆の一生 (新潮文庫)

どぎつく毒が混じっていていい。
ワシはこれぐらいの方が好きである。
読む人によっては、あまりに陰鬱すぎるということで嫌うこともあるやろうけど、「或阿呆の一生」や「歯車」なんかは病んだ心の綴った、それでいて巧妙に計算された逸品と思う。
正直、芥川の古典モノは説教臭が残っていて(それでも毒は効いているけど)、それほど好きにはなれないが、末期の一連のものは繰り返し読んでみようという気にさせてくれるのである。
自分でも捻くれてるなあと思う。