ヘミングウェイ「ヘミングウェイ全短編2」

勝者に報酬はない・キリマンジャロの雪: ヘミングウェイ全短編〈2〉 (新潮文庫)

勝者に報酬はない・キリマンジャロの雪: ヘミングウェイ全短編〈2〉 (新潮文庫)

ヘミングウェイの短編は、気の向いた時にパラパラとめくってみるにはうってつけだ。
一編ずつがそれほど長くなく、行間を深読みする必要もなく、何となく文字を追っていくとちょっとした時間をつぶせるからである。
人生に対する大きな教訓があるわけでもなく、毒をもって社会を制しているところもなく、平和な人間が平和な痴話喧嘩を書いた、といっても過言では。いや、それは言いすぎか。
面白いんだが、一冊ずっと読んでいると同じようなリズムの作品が続いて飽きてくる。大自然に対峙する人間の大きさとか、そういうヒューマニズムの対極のような作品は、スパイスとして面白いが、スパイスばかりではメインディッシュにはならんよということ。
また、酒でも飲みながら時間つぶしに読むかと。