例のアホーマンスについて
まだやるらしい。無駄探しという名の無駄作業。
もう散々いうてきたし、「あんだけビッグマウス叩いてたったの5600億円ぐらいでしょ」というありきたりな批判はやめとく。
端的に。
１．仕分けの統一基準は？
前回見ていて一番感じたのが、仕分け人が個人的にいらないと思ったら「不要！廃止！」と叫んでるだけの感情論やないんということ。
政府主導でやってるのに、政府の統一見解というのが「とにかく無駄を省きなさい」しかない。具体的に「こうこうこういう基準に抵触する事業はアウト」という線引きがないので、仕分ける方も直感的にやるしかない。
そんな議論、誰が納得できるか？ というより、議論ですらない。
これもよく言われているけど、素人判断で出した結論に対して専門家から指摘を受けたために、決定内容が覆されるという、時間と費用の壮大な無駄遣いが公然とまかり通っているのも、そこが原因の一つ。
今回はアウトの基準を決めたのかというと、どうもそういう気配はない。あるんなら、それは国民に分かるように公開すべきではないか。それでなければ「公けの場で仕分ける」というのはウソだ。
２．無駄というが、長期的に試算しているのか？
前回の仕分け結果で一番多かったのが「予算削減」。これは方向性としては間違っていないと思うが、何せ、根拠が曖昧である。
抽象的な話では分かりにくいので、例えば、の話をしてみよう。
とある技術研究に100億円の予算がついている。しかし、この研究事業のうち、10億円ぐらいは「世界一になるため」に必要なだけで、「No.2でいい」のなら必要ないものとしよう。だから10億円削減！
本当にそれでいいのか？
それって、今まさにこの瞬間に不要に思える（それも個人的な感情で）だけで、その研究がもたらす効果というのを試算したのか？
その10億円を削ったがために、技術開発が10年遅れたとしよう。すると、一般メーカーがより高性能でより廉価な製品を提供できる時期が20年遅れるかもしれない。その場合、日本の国際的競争力という観点はもとより、国内消費の観点からも、国民の不利益にもなるし、メーカーの売り上げが落ちることで法人税収入の低下につながるかもしれない。
もちろん、そんなことはなくて、10億円削って正解だったということもありうる。
しかし、前回の作業で、そこんところを誰かが試算してきて、数字を示して、「10年後にはこうで、50年後にはこうだ。どう試算しても国家的にマイナスになるだけだ」というような発言をした方がおられたか？
一般企業のプレゼンでも、まず最初にやるべきことは「こういう事業をやったらこんだけ儲かりまっせ」とか「これをやめたり、これとこれを統合したら、こんだけ支出が減りまっせ」という中長期的なビジョンを具体的に示すことが当たり前やろう。
いうなら、「私にはいらないので、オタクの会社でやってるこの事業、やめたほうがええんちゃいますか」というプレゼン資料を持っていって、先方に「その客観的な根拠はどこにあるのかね？」と言い返されて困惑してしまう。そんなレベルの作業ではなかったか。
水準的な知能レベルの国民（スイーツ脳とかDQNは置いといて）が納得できるような客観的根拠を示してくれ。話はそれからだ。
３．君らは人的コストという観点をもっているのか？
本作業も事前作業も含めて感じたことは、「同じことを違うところから何度も訊ねてくる」ということ。それ、以前に民主党の誰某が質問してきたやんということを別の民主党議員が聞いてくる。そして、内閣を通じて全く同じ内容の調査依頼が来る。先に聞いてきた議員らの質問はどこに報告されて、どのように生かされているのか。それとも何か。単なる個人的興味で聞いてきただけか？
同じ作業を2度も3度も繰り返してやる。
これって、現与党が仕分け作業で一番問題視していることと違うんか（笑い）。
仕分け作業自体、悪いことではない。無駄はなくさなければならない。そのための調査なら仕方がない。
しかし、効率性というもんがあるやろ。同じことを2度聞くな。内部で確認できることは先にやれ。
重複した作業で、一体、どれだけの人件費を浪費していると思っているのか。それは誰が払ってくれるのか。民主党の議員のポケットマネーか。違うやろ。税金やろ。
さすがにまともな思考回路をもった国民のみなさんは、これが単なるショーであり、マスゴミに影響されやすい（というよりマスゴミが全て正しいと勘違いしている）おつむの弱い（つまり、自分で考える力がない、もしくは考えることを放棄している）愚民どもを操るためだけだということに気付かれている。
やっていることはプロレスと一緒なんだよ。
場外乱闘して、頭から血を流したように見せかけながら絶叫するマイクパフォーマンスと一緒なんだよ。
すべては台本どおり。
どうやれば人気を取れるか、お客を呼べるか。
それしか考えてない。
本当に日本のためを思うのならば、客観的に、論理的に、公平に、根拠を示してほしい。
そして、この作業にかかった費用（人件費だけでなく、会場の借料や、仕分け人に対する報酬、その他雑費など）と成果として上げられた一時的な支出の削減額とを合わせて公表してほしい。
100万円分の馬券を買って「1,000円払い戻しされた」といって喜ぶバカはおるまい。
