競馬の人気について考える

最近は売り上げ減に歯止めがきかず、という話ではない。
人気の作られ方。
4混、5混も含めて、大概のレースで人気サイドが馬券に絡むという事実。
人気と能力は比例しないとはよく言われるが、ある程度は比例しているんではないか。
いや、能力よりも展開とか調子とか、そういうので人気が上がったり下がったりするという方が正しいか。


ところで、4混、5混でも関西主場のレースでは人気サイドが1頭しか馬券に絡まない、あるいは1頭も絡まないケースがまま見られる。ところが、関東主場やローカル開催では、特にローカル開催ではえぐいぐらいに人気サイドが絡む。
なぜか?
ワシは、「参考にする予想」の差ではないかと思う。


人気というのは、大勢の人が買うから人気するのであって、一人が大金突っ込んだところでたかだかしれてる、中央の場合は。
その大勢の人は何を参考に馬券を買うかというと、ワシのように全く新聞を見ずに買うのは本当に極わずかで、東スポとかゲンダイのような夕刊紙、専門紙、当日のスポーツ紙。この辺の印を見て決めるやろう。ワシも昔はそうやった。
どこが一番影響力があるかというと、部数でいえばおそらくスポーツ紙。安い上に、他のスポーツの記事も読める。夕刊紙は競馬場を観察していてもある程度いるが、そこら中に当日のスポーツ紙が落ちているように東スポが落ちていることはない。
しかし、本当に影響力のあるのは専門紙やろう。
スポーツ紙にすら専門紙の印チェックがあるぐらいやからね。
それに、読むほうも、「スポーツ紙の記者=サラリーマン」「専門紙のTM=専門家」というのは分かってること。分かってない人がいたら社会勉強をした方がいい。スポーツ紙の記者は10人ぐらい印を打っているが、プロと呼べるような人はそのうち2人か3人で、各紙とも必ず1人か2人ぐらいは大学出たてのド素人も混じっている。
さらには、いわゆる穴記者という人の存在もある。本人がいくら本命に印を打ちたくても「穴専門でやってほしい」ということで打てない。それでは外れるのは当然。この人たちの印やコラムはネタと思って読むべきなのだ。
それに対して専門紙は、もう何十年もTMをやってきたような人たちが5人も6人も寄ってたかって印を打つ。だから、印が同じところに重なることもあるし、そういうときには読むほうも「これは強いにちがいない」と考える。
そこだ。
専門紙に印がたくさんついていると強そうに見える。
これこそ人気を作る大きな要因の一つなのだ。
5人ぐらいで競馬に行くと、大体違う新聞を買うだろう。ブック、一馬、日刊、ダービー、エイト…。それで見比べるわけよ。5紙を見てどれにも◎がついてたら、そら強いんちゃうかって。みんな買うわな。そうすると1番人気になる。
専門紙のTMは長年馬を観てきているし、そう毎度毎度間違った情報は流さない。ある程度信用はできる上に、一人が観た情報ではなく、各紙合わせて数十人が観た情報。全員がバラバラのことを言っていれば人気は割れるが、一致した場合には人気になるし、それはかなりの確率で正しい。
だから人気サイドが馬券に絡むわけである。


ここでキモは、どんだけ専門紙があるかということ。
だいぶん淘汰されたとはいえ、それでも関東は10紙ぐらいあるのに対して、関西は6紙、それもほぼブックが多数派という状況である。
関東ではある程度の数のTMによる情報を総合して判断できるのに対して、関西ではブックのTM数人の印で人気が決まる。ブックの印と心中のようなところがあるわけだ。50人以上の印と5人の印。どっちのブレが大きいかといえば、当然、人数の少ない方がブレる。ブックの記者が「ええでええで」と言えば人気するが、みんなして見間違う可能性が高いのだから当然、その人気の信用度も低い。
だから関西主場での結果につながる。


ローカルはというと、専門紙自体は少ないが、今は東西主場にも印が載っている。関東と関西、それに地元の馬券屋さんたち。これらがてんでに買うから、違う情報を元に総合された人気と考えられる。それはまさに関東主場と同じ現象が起きるだろう。
それに能力差も大きいしね。