踊る大捜査線3

オグリで儲けた金を小栗へ、というわけではないが、船橋競馬場の前にある映画館へ行ってきた。
ネットでの評判は散々で、「つまらん」とか「金返せ」とかボロクソに叩かれている。そういうのは大概、期待のしすぎで、以前にドラゴンボール実写版ですら「金返せ」と本気で憤っている輩がいて、「お前、一体何を期待して来てるんよ」ってツッコんでしまった。
今回の「踊る〜」も同様で、単純にエンタメとして観てきたら、なかなか楽しめるんではないか。とはいえ、小ネタの大半がテレビシリーズや旧作の劇場版のパロディなので、その辺はマニア向けと思う。
設定は、いつもどおり無茶(笑い)。警察署がいとも簡単に封鎖されてしまったり、無期懲役囚があっさり釈放されてしまったり。しかし、この無茶な設定こそが醍醐味。いや、そこは「何でそうなるねん」と笑ってツッコむべきところだろう。そもそも、無茶な設定を否定するのなら、あの3バカからして否定しなければなるまい。あんな署長、副署長のいる警察署なんて、ごく稀にしかないで(笑い)。
展開は今までのシリーズの総集編かつ次シリーズへのツナギといった感じで、これ単体で観れば確かに中途半端な感じはある。が、そこも含めての「踊る〜」シリーズじゃないのかな? ラストの10分。これはもう完全に次があるという感じで。
「踊る〜」シリーズの巧いところはまさにそこで、連載マンガと同じ、「続きは次回」という運び方。絶対に「もうこれで終わりです」とはやらない。そして、どんだけ内容が薄くなっても観る方は「次こそはいいものに違いない」と信じて次回作を観に来る(そして騙される)。
一種の詐欺商法やろ(笑い)。
でも、こうやっていい意味で「騙す」というのはプロデューサーの腕の見せ所。なんせプロデューサーに課せられているのは、歴史に残る名作を創ることではなく、興行収益を上げることだから。興行収益を上げるためにはいかに騙せるかということが大事。大衆を騙せないような「いい人」にはプロデューサーは務まらない。
こう書くと、プロデューサーというのが以下にも悪人に聞こえるが、騙された方は大金を失うとか生活に困るということはない。「何だ騙されちゃったよ、コノヤロウ」ぐらい笑って済むようなレベルでしかない。かわいいもんである。
たかだか2,000円ぽっちで非常に憤慨するのがバカじゃないか? 一体、その2,000円と3時間で、キミはいくら損したというのかね? キミの人生が台無しになったとでも言うのかね? そんなことを言っても1年後ぐらいには女に「踊るのDVDが出てるよ。アタシ観てなかったんだ。超みたい」って言われたら、ツタ屋でレンタルして2時間半観て、その後セックルするんだろ?
そうストレートに言ってしまうと角が立つので「まあ、素人の批評は見なかったことにして」「黙ってた方が我々にやっかいなことが降りかかってこないですよ」とごまかしてしまうわけである。ここでマジ切れして反論し始めるのはまだまだ青い。(こんなことを書いている自分が一番青いんではないのか?)