無責任なことば

前にも言ったことがあるかもしれんが、ワシの嫌いな言い回しがある。
今朝もふとした拍子に癇に障ったので記しておく。単に機嫌が悪かっただけという説もあるが。


「只今の時間、先頭車両は女性専用車両となっております。みなさまのご理解とご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。」


これだ。
一見、丁寧なお願いに思えるかもしれない。が、これほど無責任な言い回しも他にない。
女性専用車両となっております、だぁ?
誰が女性専用車両って決めたんよ?
お前らだろ、あぁ、メトロさんよぉ。
それを何や。
「となっております」
はあ?
まるで誰かに「只今からここは女性専用車両とする。文句はないな?」と脅しつけられ仕方なく「この時間は女性専用車両と決められております。私も無念ですが、みなさまご理解ください。」といった流れではないか?
正しくは、
女性専用車両とさせていただいております」
と自社がすすんで決めたことを表さなければ、社会に対する責任も、公的なアナウンスをするという責任も、放棄してしまったことにならないか? いや、大概の場合は放棄しているわけだ。


例えば他の例。
よくあるのが「半蔵門線東急線内でのお客様トラブルのため、ダイヤが乱れております。」というアレ。
この問題点は、
1.乗り入れしている他社に責任を押し付けて我が社は無責任ですよ。文句を言われても困りますよというニュアンス。
2.お客様トラブルのため、と会社のせいではない。乗っていた客が悪いのだ。とこともあろうか金を払ってもらっているお客様のせいにする。(たとえ他の多数客に迷惑がかかっても、同じだけの金を払っているのだ!)
どちらも、「我が社は何にもやってない。悪くない。」という開き直りのごとき姿勢が垣間見られる。自分ら、公的機関であるということを忘れてないか? そういう時はたとえ自分が悪くなくてもひたすら謝りとおす。言い訳をしない。それが世の中をスムーズに回すための美徳というもんではないのか?
何も卑下してまで謝れとは言わん。せめて、言い訳がましい表現をするのはやめた方がいいんではないかとワシは思うのだ。


乗客は大人も子供も毎日これを聞かされるわけで、いわば刷り込みのように浸透していってしまう。(だからワシはヘッドフォンをして遮断したり試みるわけだ。)
こういう公的機関の言葉遣いから、日本語の乱れが広がっていくこともある。そういう責任を忘れたらアカンと思う。そらみんなズルい人間になっていくわな。