人気上位に乗っている騎手の扱いについて

エスポワールシチーは残念やった。あの馬で足りなかったら一体どの馬を連れて行けばいいのか? 日本で行われるものや海外で行われるものも含めて芝のレースを観ていると全く差はないように思えるし、ダートだってそこまで大きな差はないと思う。残りは経験の分か。遠征のノウハウであるとか競馬場の特性であるとか、そういったことをよく知り、体験すること。百聞は一見に如かずというが、これを糧に次のステップに進めたらいい遠征になるのではないだろうか。
さて、今日はヤボ用で外出していたので朝イチで中山に行って前売りで買って終了。選んだのは東京の10と11の2鞍。
東京10R。これは相当自信があった。(なけりゃ前売りで買わんよ。)総合点をつけたところ、1アドバンスウェイと2ランフォルセと7ロラパルーザの3頭しか残らないんやから。後は4混か5混になってこの3頭が上位人気に入っていれば何も言うことなし。人気にならない要素もないが。
本線を決めてタテ目の金額は半分にしようと軸を探してみた。ペースは気持ち速いぐらいで前が残るだろうと。そうなれば最内で松岡でとほぼ逃げ確定のアドバンスウェイが軸になるんではないか。瞬間的な判断やわな。あまり深く考えずにスッと決めた。しかし、それは中山の発想。東京は違うわなあ。気持ち速いぐらいのペースなら、東京では先行集団、4番手とか5番手ぐらいから直線で抜け出してくるタイプが一番有利だ。結果論としては、平均的に先行集団でレースを運ぶロラパルーザが軸やったかと。
ところで、気になったのは6グラヴィテーション。東京で3戦3勝というコース巧者。しかも3戦とも今回と同じ千六。能力は一枚劣るが勝負にならないというほどではない(1点)。問題は騎手。当初アンカツの予定が乗り替わりで田中博康になった。騎手点が3点から0点。これ、アンカツのままなら悩んでいたと思うし、最終的に買わなかったんじゃないだろうか。この4頭から1頭絞るのは結構難しいし、最終的には能力で劣るグラヴィテーションを切って、アンカツが巧いこと乗って2着に持ってきたりして「あちゃー」というお決まりの展開になるのは目に見えている。そこも含めて博打なのではあるが。案の定、3着。アンカツなら本当に2着はあったかもしれない。
おんなじことが11Rで繰り返された。1スリーオリオンと2トーセンジョーダンまではスッと決まる。これらは文句のつけようがない。気持ちとしてはここ1点。しかし1点勝負ほど危険な馬券はない。相当の馬券巧者でない限り9割9分外してしまうのが1点勝負馬券。3頭目を探さなければならない。幸い12マイネルスターリーの点数がいい。足りないのは展開点で、東京は4回走って1着と3着が1回ずつ。適性があるというほどではない。大体、押さえでこういう馬を買うと外れるものなのだが。朝のオッズを見てみると12倍ぐらいの6番人気。これまた微妙なところである。売れれば6混の6番人気か5番人気になるが、そうでなければやっぱり適性のないコースで凡走なのか。結論は後者だったわけだが、どっちか微妙なところにいる馬も買わない方がいいなあ。
むしろ、この時点で押さえの馬を変更しようかと思ったわけだが、4混で残る人気上位の馬はトリビュートソングとジャミール。トリビュートソングは論外だ。コース適性はマイネルと大差ないし、能力は明らかに劣るし、追込一手の脚質ではこれらをカバーしきれない。むしろ、ジャミールの方は東京を走ったことがなく、トリビュートソングよりは前で競馬ができて、能力はこのメンバーでも上位。人気してしかるべき馬なのである。何にもなかったら買っとるよ。大庭、である。騎手点0点なので買わなかった。もう10Rのグラヴィテーションと全く同じ思考。向こうは3着で今度は2着。いかんね。
この2鞍から言えることは、騎手点のあり方を見直すべきではないかということである。そもそも騎手でつける点数とは何か。巧い騎手というのは、騎乗馬の能力を十分に発揮できて道中もロスを少なく不利を受けずに回ってこられる。だから勝てるのだ。いくら東京コースが広いからといって、3角から4角で大外6頭目頭目をブン回しているような乗り方では絶対に勝てない。ここで大事な点は、いくら騎手が巧くても馬の持っている能力以上のものを発揮することはできないということ。せいぜい絶妙なコース取りでやや見劣る馬を上位に持ってくるぐらいしかできない。
逆にヘタな騎手は、2通りある。1つは馬の能力を発揮できない騎手。フォームが拙かったり腕力がなかったりで馬をうまいこと走らせられない騎手だ。これは論外。やめちまえ。馬券氏としては絶対に買ってはいけない種類の騎手である。もう1つのヘタな騎手。これは腕は酷くないが騎乗馬に恵まれない騎手である。いわゆる「営業力」のない騎手だ。この手の人たちは要注意で、いい馬に乗ればそこそこ持ってくる。普段から勝てるレースをしていないので危険なところに突っ込んでいったりとか勝負ポイントだとかいうレース勘はそれほど研ぎ澄まされているわけではないが、大きく下手を打つこともない。
また、あまり馬券にならない騎手でも、そう毎度毎度下手を打つわけではなく、たまたま展開が向いて、たまたま邪魔も入らずに回ってこられることがある。これは交通事故みたいなもんだが、能力のある馬に乗っている場合はこの手の事故も押さえで買うことを考えた方がいいのかもしれない。何も毎レース買うわけじゃない。明らかに騎手がヘタクソなのになぜか2番人気だとか3番人気ということがあるが、経験上、この2番人気3番人気はかなりの確率で来る。今日の東京の結果から見てみようか。

1R 2人平野:1着 3人コバジュン:4着
2R 4人コバジュン7着
4R 5人中谷:4着
6R 4人平野:1着 2人小野寺:3着 3人田中博康:14着
10R 5人田中博康:3着
11R 2人大庭:2着
12R 3人伊藤貢:2着

今日の東京は酷い人気やったんやなあ(笑い)。
目安として5番人気までに推された騎手点0点の人たちを列記してみたが、延べ10人中4人が連対、6人が馬券に絡んでいる。ほぼ半数が馬券対象ということは、全盛期の武豊アンカツ(この人たちの全盛期はほとんど人気上位に推されている)の複勝率と同じぐらいで、どれだけハイアベレージかということが分かるであろう。
「何で人気しているのか分からん」
「こんな騎手を人気にしたらイカンやろう」
これらは結構来るのである。
前者はともかくとして、後者は、騎手点が低くて総合点が4点とか5点(つまり能力はあって展開も向きそうな馬)は買うべし。