ジャパンC

オルフェーヴルで鉄板なのか?

検証1 宝塚記念
オルフェーヴルが馬場の悪いインを突いて出し抜けを食らわせたイメージの強いこのレース。道中の位置取りはどうだったか?
オルフェーヴルは終始内から3、4頭目あたりを進む。そのまま直線も内から3頭目あたりを抜けてきた。パトロールビデオを見ると案外インベタというほどではない。
ルーラーシップは1、2コーナーこそ内から2頭目を回ってきたものの、馬場の悪いインを避けて向正面で3頭目の位置に出す。(この時、オルフェーヴルはぴったりルーラーシップの左後ろでマークしている。)
3コーナーは3頭目のままも4コーナーで大外へ持ち出し、なんと、内から6、7頭目の位置だ。これがどれくらいの距離ロスかというと、最内と比較して15m程度、馬身にして5馬身程度である。
(円周の公式は2πr。3、4コーナーを半円と仮定すると、πrだが、半径がn増えると、π(r+n)になり、これとπrの差はπnとなる。馬の幅が大体1mとすれば、3.14×1で約3mとなる。サラブレッドの全長、つまり1馬身が約2m半〜3mとすれば、3、4コーナーで1頭分外を回せば1馬身ロスをするということになる。)
オルフェーヴルとの単純な距離上の比較では、3馬身程度のロスがあるので、同じ位置取りをとっていれば、もしかすると1馬身先着していたかもしれない。


検証2 天皇賞・秋
オルフェーヴルから離れて、今年のジャパンCの最重要参考レースとなるであろう秋天
エイシンフラッシュは、2コーナーを内から2頭目、3、4コーナーは最内で、直線もみんな外へ行って混雑してしまったのをよそ目にがら空きのイン強襲という恵まれよう。
フェノーメノは、2コーナーから終始内から2頭目で、直線だけ大外へ出した。一見、大外を回ってきたイメージがあるが、実際にはまるで正反対の比較的恵まれた内容。
ルーラーシップは、2コーナーは内から2頭目、向正面で外へ出して、3、4コーナーは内から3頭目を回し、直線は大外。これもフェノーメノ同様に大外ブン回しのイメージがあるが、実際にはそれほどでもない。
ダークシャドウは、2コーナーは内から3頭目エイシンフラッシュのすぐ外を回っている。そのまま内から3頭目エイシンフラッシュと似たような位置取りで回ってきて直線外へ。エイシンフラッシュとの差は、コーナーワークでのロスと前がごちゃついた分。
ジャガーメイルは、終始内から2頭目。ちょうどエイシンフラッシュの後ろから外を回ってきている。かなり恵まれた内容だ。
ハイペースで隊列が伸びたため、意外とコーナーで極端に外を回した馬はいなくて、ほぼ着順を信用してもいい。休み明けの分、置いていかれ気味だったルーラーシップダークシャドウジャガーメイルに叩いた上積みが見込めるか?


土曜日の芝の出目傾向が、1着は2桁馬番に集中している。ところが、8枠は1頭だけ。つまり、内では勝ちきれず、かといって大外も不利だと読める。ルーラーシップでギリギリ、オルフェーヴルはやっぱり不利だ。オルフェーヴルは極端に不利な枠で勝ったことがなく、一抹の不安は残る。
一方、枠順で非常に有利なのがダークシャドウ。内過ぎず外過ぎず。休み明けを1回叩き、インを突けない騎手から最も度胸のある騎手へ乗り替わり。距離延長が嫌われているが、たかだか400m。気にする必要はないし、むしろ他のプラス材料がより多い。
ルーラーシップも枠順はともかく、明らかに仕上がり途上の前走からの上積み、大レースで勝てる騎手への乗り替わり(これはもともと予定になかっただけに、運が向いてきたともいえる。)があり、まともに走ればオルフェーヴルをも凌ぐかもしれない能力は秋天組ではナンバー1だろう。
今回、あえて、人気に逆らってみる手はある。(オルフェーヴルの体調面に関しては時計も出ているので、かなりいい気はする。逆らってみる理由はローテーションの問題ではない。)