福山競馬の勝負の仕方

福山競馬は堅い。1番人気の勝率は4割強、連対率は7割弱。2番人気の勝率は2割強、連対率は5割弱。1日のうち、8レースは1番人気か2番人気が勝ち、1番人気は8レース、2番人気は6レースは連対するということになる。


ここから考えられる馬券の買い方は2通り。
1.とにかく人気馬を信頼し、点数を絞っていく。
2.1日のうち4レースは3番人気以下が勝つのだから、それをじっと待つ。


1の場合は、単勝だと2倍以下、馬複でも3倍あるかないかの配当が多いため、100円単位で買っていても飴代にしかならない。よって千円単位以上の勝負になる。
2の場合は、穴馬券屋の基本だが、どこでどの人気薄が来るか分からないので点数が多くなるゆえに手広く100円単位で拾うしかない。
最終的にはどちらも同じくらいの金額を使うような気はする。


ここで考えなければならないのが、売上総数である。JRAだと一切考える必要のない要素だが地方へ行く時には必ず気にしなければならない。


競馬の配当の考え方を簡単に説明しよう。
特定の券種、たとえば福山競馬の1レースの単勝としよう。ここに賭けられた総額が計算の基になる。ここでは仮に100万円賭けられたとしよう。
まずそこから主催者の取り分が除かれる。これがいわゆる控除率で、原則は約25%、単複は約20%だ。「約」というのは細かい計算があって、ちょうど25%というわけではないのだが、とりあえず無視しよう。こまけぇこたぁ気にするな。
今回の場合だと、単勝に100万円賭けられたので20万円は主催者の収入になる。
残りの金額を的中者で山分けすることになる。1票しか当たりがなければ80万円の配当になり、80票当たりがあれば1万円、8000票当たりがあれば100円元返しになる。


何故、地方競馬では売上表数を気にしなければならないかというと、この「山分け」というところがミソなのだ。
JRAと同じノリで、「ここは頭鉄板なので1番の馬に10万円!」とやると、実は自分以外は2万円しか売れていなかったというケースがある。この場合、総額12万円の売上なので、単勝だったとしても12万円の8割、つまり9万6千円しか払戻には回ってこない。原則上は当たってもプラスになるはずがない。(この場合、100円元返しで主催者側が割りを食うことになる。)
福山競馬は単勝は鉄板レースが多いので、単勝2倍のオッズについて考えてみよう。
2倍というのはどれぐらいの票が売れているケースかというと、先の総売上100万円で考えると、80万円の払戻総額に対して、半分の金額、つまり40万円(=4000票)賭けられている場合である。シェア率で言うと40%だ。
ちなみに1.5倍だとシェア率は53%、1.2倍だと66%になる。約半分なら1.5倍、3分の2なら1.2倍と考えればOKだ。
自分が賭けた後に、自分の賭け金が総売上の何割を占めているかを気にしなければならないのだ。
そこで、福山競馬の単勝の売上(票数。1票=100円)がどれくらいあるのか見てみよう。

2013年1月2日
1R 960
2R 1096
3R 1277
4R 936
5R 1279
6R 968
7R 820
8R 1050
9R 1109
10R 1796
11R 1429 

大体10万円前後だ。ただし、これは正月初日の開催であるため、実は普段より多めに売れている。そこで、通常の日曜日の売上を見てみよう。

2013年1月13日
1R 478
2R 497
3R 584
4R 685
5R 862
6R 1431☆ 配当100円
7R 903
8R 908
9R 734
10R 825
11R 915 16:05発走
12R 994 16:40発走

2013年1月20日
1R 503
2R 658
3R 1042☆ 配当110円
4R 718
5R 747
6R 678
7R 740
8R 988
9R 1450☆ 配当100円
10R 696
11R 2142☆ 配当120円 16:10発走
12R 3084☆ 配当200円 16:45発走

2013年1月27日
1R 683
2R 537
3R 536
4R 760
5R 562
6R 738
7R 925
8R 858
9R 1023
10R 998
11R 1084  16:05発走
12R 7452☆ 配当290円 16:45発走

早い時間帯(5レースか6レースぐらいまで)だと5万円〜7万円程度、後半は10万円程度の売上である。
☆印をつけたレースは、さっきの「ここは頭鉄板なので1番の馬に10万円!」をやっちゃった可哀相なオジサンのいるレースである。当たっていても「何でこんなに安いんだろう??」と思っているだろう。(実際に100円とか110円の配当が複数回発生している。)
IPAT発売が始まってから流れが変わっている可能性があり、特にJRAの全レースの終わった後に組まれている最終レースは売上がかなり多くなるのかもしれない。
昨日も土曜日ながら最終レースは19万円ぐらい売れている。また、他の券種、例えば最も売上の多い3連単も通常(500万から600万円)の倍以上売れている。そして、単勝も売上の伸びなかった1/13は、やはり3連単も売上は伸びていない。


通常の早い時間帯は5万円程度と考えれば、1万円買えば少なくとも2割程度占めてしまうことになる。元々2倍だったとすると、5万円の4割、2万円売れていたところに1万円追加して、6万円のうち3万円の売上になる。オッズは2倍から1.5倍程度に下がる。
後半の10万円程度の売上で、2倍のところに1万円突っ込んだら、シェア率は45%になり、オッズは1.7倍〜1.8倍程度に下がる。
つまり、通常の福山競馬の売上だと、単勝を1万円買えば、2倍のオッズを1.5〜1.8倍程度に下げてしまうことになる。
それでヨシとするならここぞという時の武器にはなる。実際、福山競馬において単勝を当てるのはそれほど難しくはない。(出走している半数近くの馬は半年以上勝ったことがないのに、1割程度の馬は2回に1回くらい勝っているので、最近勝ったことのある馬を買えば当たる。)
1回5千円稼いで、それを3回当てられたら宿代は出てくる計算だ。


しかし、他にもっと効率のいい券種があるのではないか?
馬複だと単勝の10倍、3連単だと50倍売れている。ちなみに馬単は馬複よりやや少なく、3連複も馬単くらいだ。複勝、枠複は単勝と同程度、ワイドはその3倍だ。馬複、馬単3連単だと1万円くらい突っ込んだところで大きくオッズは変わらない。


フルゲート10頭の3着までを当てるのは実は結構難しい。訳の分からない馬が突っ込んでくることが多いからだ。3頭か4頭が抜けているケースもあるが、そういう時は3連複の配当も安く、ほぼ馬複と同程度だ。(時には馬複の方が高いこともある。)ということは3連複を買うメリットはほとんどない。
ワイドがたいてい2倍以上つけていて、馬複の半分以上の配当を出していることも多いが、何せ売れていないのでせいぜい1000円くらいしか買えない(=当たってもせいぜい1000円か2000円しか儲からない)。だったらオッズを1.5倍にしてでも単勝を1万円買った方がよかろう。
10頭立ての枠複なんて馬複と同じなのでメリットは何にもない。複勝なんて単勝200円を取れるところ、わざわざ120円の配当を取りに行く理由などない。


1日1つでもいいから3連単を当てるというのは一つの手段かもしれない。しかし、本命サイドだと5600円ぐらいの配当しかなく、1レースに500円としてもトントンぐらいにしかならない。ヒモは穴狙いにするか、1日に本命サイドを2,3本取りに行くくらいでなければ儲からないが、穴馬は本当に当て物で分からない(JRAで言えば、ずっと2桁着順の馬たちの中からどれか1頭選びなさいという感じだ。)


馬複は実は効率がいい馬券かもしれない。連対ベースなら1番人気と2番人気を合わせて半分以上になる。とにかく3回に2回は1番人気が連対するので1番人気を軸に据えて2番人気を必ず入れるという具合にすればかなり当たるだろう。そして、配当も単勝よりやや高く、多少突っ込んでもオッズは動かない。


1頭だけ抜けていて鉄板の場合は単勝(とはいえ、このケースだと1.5倍を切ることも多い)、
2頭抜けている場合は馬複(これなら1.5倍〜2倍はつく)、
というのが勝負パターンかなというのが分析してみての考えである。
売れている票数からみたら競艇の一般戦の日を買う時の要領と似ている気もする。(ただし、基本的に1号艇と2号艇を買えばいい競艇の方が当てやすい。)