習志野きらっとスプリント

スーパースプリントシリーズ(SSS)も路線が少しずつ整備されてきて、今年は各シリーズの勝ち馬が揃った。過去3年はラブミーチャンのためのシリーズだったようなもので、引退後、このシリーズの意義が問われるところでもある。
ちなみに、このシリーズは
6/12 川崎 900m 川崎スパーキングスプリント
6/19 園田 820m 園田FCスプリント
6/26 門別 1000m グランシャリオ門別スプリント
6/27 名古屋 800m 名古屋でら馬スプリント
7/21 船橋 1000m 習志野きらっとスプリント
の5戦で構成されている。第1戦の川崎と第2戦の園田が1週間、第2戦の園田と第3戦の門別が1週間、第3戦の門別と第4戦の名古屋に至っては翌日であるため、ホースケア所有馬でもない限り4戦のうち多くても2戦にしか出走しないだろう。いわば、予選が各地で行われ、決勝が船橋でという構図。だから各予選のレベル比較が馬券検討において重要である。

まずは遠征馬の分析から。

愛知のワールドエンド。今年の春まで美浦・田村厩舎で管理され、2012年の仲冬S(1600万)が主な勝ち鞍。愛知に移籍して初戦3着の後3連勝でSSS名古屋でら馬スプリントを圧勝してきた。
過去の名古屋でら馬と習志野きらっとの相性を見ると非常にいい。
そら、ラブミーチャンがここをステップにしてるからなあ(笑い)。
今年のメンバーは、レース自体のレベルとしては、南関のB2クラスぐらい。単純に考えると、南関勢で有力視されているユーリカがB1B2で1秒近くちぎっているので、ワールドエンドはそれと大差ないと考えていい。まあ、元々JRAの1600万特別(これは南関ならS3相当)で勝っているのでそんなもんでしょう。

佐賀のエスワンプリンス。佐賀の生え抜きながら、園田FCスプリントを勝っての挑戦。実は3歳時に黒潮盃に出走し3着の実績がある。この時の勝ち馬はアスカリーブル。距離は全然違うが、アスカリーブルがS3あたりで苦戦しているのを考えるとちょっと足りない。ちなみに、園田FCスプリントもレースレベルとしては名古屋でら馬と同等である。

道営からはアウヤンテプイ。当初笠松所属だったが、3歳秋に道営へ移籍し、そこからほぼ完全連対。唯一連対を外しているのが13年と14年の北海道スプリントCJRA交流なので仕方ないが、どちらも4着に健闘。ティアップワイルドセレスハントと互角の勝負をしていて、JRAで走ってもOP特別は勝てるぐらいの力を持っている。

笠松のトウホクビジンは毎度御馴染なのでいいでしょう。無事完走してください。

さて南関勢。前哨戦の川崎からは、1着ユーリカ、2着ショコラヴェリーヌ、6着タマモスクワート、7着キモンレッド、9着ケンブリッジエルが出走。

ユーリカは船橋に移籍してきてから大敗したのが船橋1200戦の2回のみ。船橋は1000と1200では適性が異なるようで、度外視しても問題ない。力は足りるでしょう。
ショコラヴェリーヌはまだA2クラス。クラシックシーズン終了後も900から2100まで様々な距離を走らされていて、正直、陣営も適性をつかみきれていないのではないだろうか。勝ち鞍は大井の1200と1400が中心で、船橋1000は本質的に忙しくて合わない気がする。3着リコーシルエットや4着メッシだって格下B1クラスの馬だしねえ…
タマモスクワートは、これは中距離馬ですよ。去年もこのシリーズ、川崎と船橋に参戦し3着4着。それ以外は徹底して1400以上を使っている。よほどこのシリーズの相手が軽いとみて賞金稼ぎに来ているのか。それを考えても、このシリーズはまだ充実させる余地がたくさん残されている。当然、ここも着拾い。
キモンレッドは去年秋まで栗東・小崎厩舎の管理。JBCレディスクラシック3着を最後に大井へ移籍したが、その後は苦戦している。JRA時代には1600万まで勝っているので、能力的にはワールドエンドと差はないが、成績を見る限り、JRA時代と大井に移ってからは別馬になっていると考えてもいい。もっともJRA時代から大敗を繰り返して突然好走するなど気難しい馬でもありますが。
ケンブリッジエルは論外。

他路線組では、アーリーロブストは去年7着。船橋転入後の成績をみても厳しい。
アイディンパワーはここ2戦だけ道営へ転出し、北海道スプリントCと門別スプリントを走り大敗。元の佐藤賢二厩舎へ戻ってきたが、去年のこのレースの3着馬。大駆けがあってもおかしくない。事実、3走前は大井のOPで2着してるし、4走前はJRA交流の東京スプリントで4着だ。アウヤンテプイと同等で考えていい。差し馬なので展開頼み。
ナイキマドリードはこのコースが得意で正月の船橋記念(S3)は3連覇中で船橋で行われたJBCスプリントも2着。このコース限定でJRAの重賞勝ち馬級である。川島調教師いわく、夏場は苦手な馬らしい。確かに毎年夏場は休んでいるが、4年前は夏場も良績を残している。
ハードデイズナイトとコアレスピューマは能力的に足りないですね。

勝負になりそうなのは、ユーリカ、ワールドエンド、アイディンパワー、ナイキマドリード、アウヤンテプイ。斤量的には54キロのユーリカ、56キロのアウヤンテプイが有利。この距離の1キロはかなり大きいですからね。枠も考えるとユーリカでしょうか。