村上春樹「意味がなければスイングはない」

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意味がなければスイングはない

意味がなければスイングはない

とにかく年内にこの本だけは読み終えておこうと思って朝から残りを読破。
と言ってもそんなに深刻になるなよ。深い内容があるわけでもないし、あくまで村上さんの個人的な意見が書いてあるだけのことなんやからね。
読んでみて結構最近のところにまで手を出しておられることが分かった。例えば、スガシカオ村上春樹なんて全然結びつかない! 村上さんが書いておられるようにデビューしたての頃に僕もJ-WAVEか何かのFM局で流れていたのを聴きながら江古田を起点によくドライブをしていたなあと共感。
そう、あの頃は念願の自分のクルマを手に入れて、それも月に25日以上働いて、時には山崎パン工場のラインで2時間レーズンを投げ入れ続け、東京大丸の催事場の什器を出し入れして、横須賀・野比にあるドコモのビル工事にも行った(これは始発にのって2時間かかったなあ)。
そうやって文字通り汗水たらして稼いだ金で買ったシビック。買った当初は嬉しくて、バイトが終わってからも夜な夜な乗り回して、維持するためにまたバイトに出かける。そんな合間に聴いていたスガシカオ。忙しい日常の中の息抜き。鼻歌まじりにステアを握り、時には一人車中、大声で歌った。
そんなことを思い出しながら、また、僕の知らない音楽家についても「ああ、こういう思いで聴いてはるんやねえ」と。リラックスして読めるねえ。適当な音楽を流しながら読み、時にはかけている音楽の方に集中して読書を中断したりしながら。
本当に音楽の楽しみ方は人さまざまと思う。僕は無音空間が苦手な方なので、大体部屋にいる時は何がしかの音が流れている。BGMでしかなかったり、音楽だけに集中していたり、あるいはこの本を読んでいた時のようにどっちつかずだったり。でも、どれもアリやと思うんよ。もちろん、BGMにすらならないようなクダラナイ音楽も中にはあるけれども、そういうのはもうハナから相手にしないし、万が一ハズレを引いてしまったら「あちゃー」って落ち込む。でも一つだけ言えることは、音楽は僕の生活の一部だということ。この本を読んでいてそういうところは全体的に共感できたよ。細かい部分はともかくとして。