旅日記の最後は宿

温泉というのがけっこう好きで、年に1,2回は必ずどこかに行ってる。今回の目的の一つも温泉で、岩手と秋田の境にある湯田温泉峡を目指した。「ほっとゆだ」の駅名で一部マニアには名の知れたところだが、さてどうか。
湯本にある温泉旅館。目の前は川が流れ時折小さな滝が音を立てている。正岡子規もここに来て一句詠んだという。去年のどん語温泉、いやいや道後温泉に続き、正岡子規がついて回るか。
山の温泉や 裸の上の 天の河
おお、もう…。丸裸で(天の川を)受けてたつ。
温泉は屋内と露天と2つ。露天?(声を荒らげて)そりゃあそうよ。露天風呂から川の流れとかが見られてなかなかよい。ここ最近の露天風呂では景色は当たり。欲を言えば風呂自体がもうちょっと広かったり趣向が凝らしてあればというところ。

部屋は8畳でまずまず。天井が高くて、雪国らしく梁を上下に交差させて上からの重みで壊れないようにしてある。こういうのは寝るときに上を向いて開放感があるからいい。
とにかく宿にいる間、といってもほとんど夜と朝だけだが、温泉に入るか本を読んでたな。せせらぎとか小滝の音を聞きながら読書というのもいいもんで、金と時間さえあったらずっといてもええと思うよ。今はな。
料理は、死ぬほど出てきた。実際、完食不可能。

2泊して2日間とも地元の和牛が出てきたが、これがなかなか美味。ステーキのように焼くよりは、しゃぶしゃぶとかすき焼きみたいな鍋のほうが脂が生きてきて旨い。量が死ぬほど出てきた中で、正直、山の中なので刺身とかいらんからもっとこの肉を食わせてほしかったな。刺身はダメ。生臭い。まあこんな海から離れたところで出てくるんやからしょうがない。干物で十分よ。ふきとかわらびの類の山菜はさすがに採りたてでよかった。やっぱり刺身の分が余計かな。あれがなくても量としては十分足りてるからな。
館内はそんなに歩き回らなかった。(腹いっぱいで)しんどいもん。案内図を見ていてもそんなに大したものもなかったし、廊下に書が飾ってあったぐらいかな。
大ざっぱに言えば、和牛と露天風呂の景色で点数は高い。刺身だけはなくしてくれたら…。まあそういうことよ。