2007回顧、そして2008への展望

本題に入る前に。
忘年会と称して単なる飲み会を開催してきたところであるが、【牛乳の宴】先生からは現役プロの編集者としてアドバイスを頂戴した。実際に行動を起こさなければいけないというのはオレも半年ぐらい前から思っていたこと。貴重な参考意見としてありがたくいただきます。
さて、2007年を振り返って(明日も大井競馬はあるが参戦予定もないのでもうええやろ)。
今年はターニングポイントになる1年やったと思う。それもかなり大きな意味で。
日本の競馬の仕組みは、パリミュチュエル方式であるがために少々特殊。例えば、ヨーロッパのブックメーカーであればベットした時点でのオッズが保証される。しかし、パリミュチュエル方式であるがために、最終的に集まった票数に対して的中者で山分けである。そのために、大きく儲けるためには
1.「これぞ」というところで大張りする
2.他人と異なる方向からせめる
のいずれかになると思う。しかしながら、1.の方式では票数の集まるJRAのメインレースならともかく、地方の、それも複勝なんかでやればあっという間に自らオッズを下げてしまうだけである。やるならJRAしかない。しかもハイリスク。
そうなれば2.の方向に進むしかない。
そして、今の競馬予想のトレンドを見てみると、指数系、データ系が幅をきかせている。パソコンで手軽に扱えて、しかも自分で考える必要がないから楽だというのが大きい。この線でせめるととどのつまり「同じ思考回路」に陥ることになり、勝負と思ったら1.1倍、と全然はなしにならない。
その点で、3F指数は見切りをつけたわけである。結局、指数系なのである程度の勝負レースは他の指数系とかぶってしまう。これはやむをえない。仕方ないので、リスクを冒して5割程度の自信で勝負をかけて失敗する。
で、次に考えたFBI。これはそもそも発想としては大きな転換ではあるけれども未だにレースレベルの設定というところで躓く。そして、レースレベルを厳密に設定しなければならないほど有効かというとそうでもなく、今の状況であれば、あくまで参考程度でしかない。なぜなら、レースは生き物で、展開なんか完全に読みきれるわけはないし、ましてや過去の通り運ぶわけがないから。
そして辿り着いた先が皮肉にもアナログな視点やったというわけだ。すなわち「パドック」。
なぜアナログか? それは、「誰にも同じことができないから」。パリミュチュエルが同じ方向に賭ければそれだけ見返りが少なくなるということ、そこに全ての根拠がある。デジタル予想は確かに便利だ。手軽だ。しかし、みんな同じ方向に向かうという点では限りなく期待値である75%に向かう方法でもある。75%の壁を突き破るためには他人と違うことをしなければならない。他人にマネできないことをしなければならない。
今年、特に下半期、これでもかというぐらいにパドックを観た。「見た」ではなく「観た」。中山競馬は第4回、第5回と合わせて16日。東京競馬もできるだけ現場までクルルァを飛ばしてナマの馬を観た。午後からだけと考えても1日100頭、1開催で800頭。おそらく下半期、5600頭とはいかないまでも3000頭近くの馬を観察した。ただ漫然と眺めるのではなく、予想しながら反省を行う、走る馬と走らない馬を見分ける、馬の調子を判断する。昨日、全く異なる条件(馬の種類が異なる、パドックの形状が異なる、普段観ている高さと違う、そもそも走る馬場が違う)を克服してある程度のパドック診断としてうまくやれた(馬券は直結していないところが相変わらずであるが)と自負している。
それにくわえて「中山競馬専門」という方向を見つけたのは大きい。中山の馬場傾向など、データ的に常識を疑ってみることから始める。そして自分なりの結論を見つける。そういう作業やね。正月休みの間に何とかまとめてみたいとは思ってる(ホンマは今日の夜に作業をしようと思ってたわけやけど)。そして、9月からの「修行」の成果を、1月の開催で確認する。
そういう意味では、2007年は「初心に帰る」というのと「常識を疑え」ということ。この2点に尽きる。これが成果。
2008年。この半年やってきたこと(特に函館でボロ負けしてから)を生かして、実証すること。口先でいうのは簡単だが、実績を残すことは難しい。まずはここから。そこで「証拠」をあげて堂々とメジャーへ殴りこみを図る。もうこれは2008年の目標として掲げておきたい。「競馬最強の法則」とは言わないが、それなりの媒体を目指したい。
ただ、そこで取り上げられてもすぐに使い捨てられるのは目に見えているのでその先も見据えておかなければならない。最終的に生き残る道は、「予想会社」か「万能競馬ライター」しかないと思う。一時もてはやされた天翔馬にせよ、里中李生にせよ、「一時」でしかない。しぶとく図太く生き残ったのは、JRAにうまく取り入れた石川ワタル(スピード指数よりもレープロの海外競馬ニュースで堅実に生き残れている)や須田鷹雄JRA主催のイベント司会や各種メディアでの寄稿)であることを考えても、「万能競馬ライター」というのは堅い。しかし道は狭い。人が横になってようやく通り抜けできるかというぐらい狭い。
一方で「予想会社」というのは結果を残さなければならない。それはそれで困難。特に個人で設立するとなるとリスクはとてつもなく大きいし、何より「責任」が大きすぎる。かといって予想を買ってくれるところもないしね。
じゃあ、とりあえず本でも出すか、ということになる。まずはそこから始めようと思う。そのためにはやっぱり「実績」。後出しジャンケンは嫌いだ。本当はパドック中継だって買った馬券を結果が出る前に晒したいぐらい。ただ、今できることは「確かにこの馬券を買って的中させた」という証拠写真しかないわけやし、それで売り込むしかない。
ま、いずれにせよ、まずは当てないとね(苦笑)。
もちろん、目指す先は「1冊本を出しました」ではなく、その1マイルぐらい先。「2冊本を出しました」(笑い)。いやいや、そうではなくて、「競馬ライター」にとどまらずにその先。ノンフィクションとフィクションと、こだわらずにいきたいですね。今はまだ旅の途中。