PL指数ガイド その1

いろいろと話題にもなったので、PL指数をもう少し掘り下げて解説していこう。
1回では終わらないので、連載という形で。
第1回。まずはコンセプトから。
PL指数の目指すところは、「ペースと上がりの速度差による適性」である。
いろんなコースのデータを見ていて気づいたんやけど、前残りとか瞬発力勝負とか、そういったコースの特性が、実は、レースの全後半のラップに表れている。
今まで見てきた中でそれをうまく指数化できているのが「ラップギア」。これは評価する。が、ラップギアにも穴はあって、レースごとのラップでしか計れない。1頭が大逃げしたようなレースや、最後方ポツンから豪快に追い込んでくるデュランダルみたいな馬はダメなのである。
で、1頭1頭について指数に使える数字が、「走破タイム」「上がり3ハロンタイム」「テンの3ハロンタイム」しかない。
このうち、テンの3ハロンタイムについては公式データではなく、新聞によって異なることも多い。その上、実は、テンの3ハロンよりもそこから先のペースの方がレース展開を左右することが多いので使用しない(というか、JV-Linkを使用したら自動的に使えないことになる)。
で、走破タイムと上がり3ハロンタイムから、もう一つ計算できるのが「ペースタイム」。これがさっきのテンの3ハロンタイムに代わる。
この3つのパラメーターだけに特化して(斤量や騎手など他の要素はすべて切り捨て)グラフ化してみたり、擬似直線や曲線を作ってみたり。知っているだけの統計知識を駆使してみた、そんなにバリエーションはないけど。
で、分かったのは、
・3つの数値のどの組み合わせをとってもコースごとに直線に近い形で分布する。
ここで既成概念が崩れる。つまり
「ペースが速いほど上がりがかかり、極端なスローなら多少ペースが違っても上がりタイムには影響しない」
この前提であると、僕が昔つかっていた3F指数の反比例の公式が使えるけど、それが成り立たないわけである。
しかも、
・コースによっては、直線の傾きが正負逆になることがある。
たとえば、x軸にペース速度、y軸に上がり速度をとった場合、普通に考えたら右下がり(ペースが速くなれば上がりが遅くなる)が想定される。しかし、ダートコースの多くは右上がりなのである。
この右上がりのコースが、いわゆる「消耗型」のコース。
逆に、大きく右下がりのコースは「瞬発力型」。水平にちかいものが「平均型」(ラップギアでは「平坦型」といわれている)。
そのコースに適性のある馬が好走する、というのは、極端な消耗型のコースで「上がりの脚のキレはものすごい」という馬は自慢の脚を封印されたままレースを終えることになるからである。
基本は、「コース適性」。
ただ、同じコースを走ってもメンバーが違うと別の結果が出ることがある。芝コースは特にその傾向が強い。この「レース適性」について、次回は書いてみたい。