曲亭馬琴「椿説弓張月(中)」

続き。
まあ話自体はそれほど大したもんでもないけど、情報量のすごさに驚く。
現代なら他国の様子なんかもネットですぐに調べられるけど、馬琴の時代によくもまあここまで琉球について調べたなあと。元ネタがいくつかあるわけやけど、それを探すにも今ならPCでポンと出る。昔はそうはいかんからね。
そこに想像と創造が加わっているわけで、その創作過程だけでも十分、調べる価値があるとは思う。
最も、物語自体はうまく出来すぎていてハナにつく部分もあるけど、伏線の張り方なんかは巧い。利勇が典型的なアホキャラすぎて、どうにかならんか?と思いながら下巻へ。もっとも、こういう分かりやすい設定でないと人物関係がよう分からんようになる。