限界点と漸近線

この2つが別物であるという結論に達した。
なぜか?
たぶん、中山ダート1200mのペース限界点は32.5秒ぐらいで間違いないと思う。少なくともこの10年間、これより速かった馬はいない。
じゃあ32.5秒が漸近線の数値になるかというと、そう仮定してカペラSを検証してみよう。
ちなみに上がりの漸近線はこのレースが過去10年で一番速くて、それでも34.6秒。じゃあ34.5秒ぐらいか。
仮に、基準がペース、上がりそれぞれ、34.5秒、37.0秒とする。これは昨日の500万の出走馬平均タイム。
逃げたトロピカルライトのペース指数は、(34.5-32.7)=1.8


y=n/x
x:ペース
y:上がり
n:定数


これに漸近線をつけてやると
(y-34.5)=n/(x-32.5)


n=(y-34.5)*(x-32.5)
なので、基準としては、
n=(37.0-34.5)*(34.5-32.5)=5.0


さて、トロピカルライト
(y-34.5)=n/(x-32.5)
で、xが32.7で、nが5.0なので、基準レベル(500万レベル)なら、yは次のとおり。
(y-34.5)=5/(32.7-32.5)=5/0.2=25
y=25+34.5=59.5
つまり、あのペースで500万の普通の馬が走ったら、上がりは59.5秒かかるというのである。
ありえない。
この仮定は間違っている。どこが違うのか考えてみたけど、漸近線の数値が違うんではないかと。つまり、これだけ極端にギリギリの数値を設定しておけば、漸近線近くのタイムをマークした時にはとんでもない基準値が出てくると。


では、適当な漸近線は?
コースの限界点でないことは分かった。
なら次に考えられるのは、競走馬の限界。日本で一番速いといわれている新潟直線1000m。ここでマークされたレコードが53.7秒。この時の最も速いラップが真ん中の3ハロンで、9.8-10.2-9.6というもの。合わせて29.8秒。まあここが限界でしょう。
他にも未完成の馬とは言え、海外のトレーニングセールでもハロン10秒ぐらいが限界。
なので、30.0秒をいちおうの漸近線と仮定していいのではないだろうか。
実はこれ、2年ぐらい前まで使っていた3F指数で実践していたわけで、奇しくも、そのやり方に戻ることになるわけである。


さて、検証。
(y-30.0)=n/(x-30.0)で、nを計算してみる。
n=(37.0-30.0)*(34.5-30.0)=7*4.5=31.5
トロピカルライトにあてはめると、
(y-30.0)=31.5/(32.7-30.0)=31.5/2.7=11.7
y=11.7+30.0=41.7
なるほど、これならありうる。


厳密にいうと、この基準タイムも違うわけで、ここ10年間の良馬場500万限定の平均は、35.1-38.6というラップ。ここ2年間でもほぼ同じタイムで、まあ間違いないと思われる。
これと昨日の500万のタイム差がほぼ2秒。なので、あのレースは相当遅いペースだったと言える。
仮に前後半で等分しただけ馬場差があるとしたら、1秒ずつ速いことになるので、34.1-37.6というラップが昨日の基準になる。
まあ似たような結果は出てくる。
それで、ここから出てきたペース指数(基準よりどんだけ速いペースか)と上がり指数(そのペースで走った時の基準ラインでの上がりタイムとの差)で、もし馬場差0の良馬場で再度レースをしたらどうなるか?
結論としては、トロピカルタイムが33.7秒で逃げて、37.1秒の上がりで3着に粘りこむ。1着は34.9秒で後方待機のビクトリーテツニーが35.8秒の上がりで0.1秒差先着。2着が34.0秒で先行馬群にいるアグネスジェダイが36.8秒の上がりでトロピカルライトをわずかに差し切り。4着はトロピカルライトと併走のウエスタンビーナス。
スリーアベニューフジノウェーブは展開に恵まれたかもしれないけど、ビクトリーテツニーは本物ということ。
そして、時計がかかれば、やっぱり前にいる馬が有利なコースということ。


なんか、見えてきたなあ。
この線で進めていけばええんちゃうかと。
ちなみに、もし昨日以上に速い馬場だったとしたら。
多分、コーナーや坂などの要因でペースも上がりも限界点に達するので、そこは打ち止め。つまり、ペースの仮限界点32.5秒よりは速く走れないと思われるので、たとえさらに1秒速い馬場であったとしても逃げ馬は32.5秒でしか逃げられない。その分、後半にお釣りが来る。この場合、先行してる方が有利(前半はそれほど無理せずに上がりに余力を残しておけるから。しかも上がりにも限界があるからみんな同じような上がりタイムになるだろう。)ではないか。
それが「限界点」の使い方ではないかなと今のところ考えている。