トルストイ「戦争と平和(二)」

この間ずっと平和ボケ。
いや、野戦病院のおぞましい光景もあったし、平和な中で心理的戦争も大いに発奮。
人間の弱さをよく著した巻と思う。
それは宗教面での弱さだけでなく、世俗的な面での弱さも、いや、そっちの方が余計に大きな弱さを示す。
堅固にみえる決心も直情に勝てず、眼前のエサに挫けてしまう。石工組合も然り。敬虔な宗教家も然り。夢見る乙女も然り。
そこを打ち克って初めて人間は大きくなれる。しかし、常人には無理である。
ワシも目の前の撒きエサ(どうでもいいレース)の誘惑に克ち、真の目的(勝負レース)で勝ちたいが、どうもそうはいかないらしい。弱いな。