ドストエフスキー「死の家の記録」

死の家の記録 (新潮文庫)

死の家の記録 (新潮文庫)

途中、2週間ばかり通勤中も帰宅後も読書にあてる体力と気力が失われていたため、時間がかかってしまったが通読。
他のドストエフスキー作品に比すればドラマ的な面では物足りないが、スケッチとしての描写は筆によるものとは思えないほど生き生きとしていて、これが後のペテルブルグの裏世界の場面につながっていくのかと納得した。
「記録」の名の通り、監獄で起きた事件が延々と語り継がれていくので単調になりがちではあるが、その一つ一つの挿話は興味をひくものもあり、時間に余裕があればもう一度、一息に読み切ってしまいたいと思う。