中止 阪神−中日(甲子園)

ワシが気づいた時には中止になっとったけど、これ、10分前に出たらしいな。
せっかく都合をつけて来てくれたお客さんのためにもできるだけ試合をやりたいというのは分かるけど、夜も雨は強まる予報なんやから、もっと早めに出すのがホンマのファンサービスなんちゃうかと思ったりするわけで。加古川の人、帰れるけど、交通費返してくれへんで。


ワシが帰ってくる頃には大雨で、駅から家までが滝のようになってるのは分かっていること。無理やり帰ったらヒザから下はどぼどぼで、以前の反省からクリーニング代を払うぐらいならワンメーターのタクシー代を出した方がええと。
まあ、タクシー乗り場へ行ったわけよ。
タクシーが2列で客待ちをしとるんやけど、奥の1台がお客さんの荷物を積んでて発車できない。すぐ後ろのタクシーが手前へ寄ってきて乗せてくれりゃええのに、律儀に前のタクシーを待っとる。そのさらに後ろのタクシーは、前へ出たがってるけど、前のタクシーが車線を変えてくるとみて動かない。
まもなく荷物を積み終わったタクシーが出る。問題のタクシー。乗り場の手前の方は空いている。外は大雨。
スーッとそのまま前につけてきよる。
「え? こっち来るんちゃうん?」
ワシ、思わず乗り場の整理のオッサンに聞いてもうたがな。
すぐ後ろから手前側の車が来ると思って待ってたんやけど、来ない。しゃあないから数メートル、ダッシュよ。
ここら辺でイヤな予感はしとったんやけど。
ウチの近所まで走らせて「そこでええよ」言うたんや。
普通、「ここですか?」って聞くわな。
ない。
ブスッとして一旦止まるフリして、再加速。
「いやいや、そこでええよ」って言うたんよ。
その瞬間、メーターが1個あがる。
「ハッピャクエン」
これが唯一、運転手の発した音声なわけよ。
ええ運転手やと「すいません、今の上がった分はいいですわ」ぐらいになるもんやけど、そんな気配は微塵もない。むしろ、「お前の指示が悪いんじゃ」ぐらいの態度。
追いうちをかけるように、停車してすぐドアを開けよる。外は大雨。風もある。
そら車内に雨が吹き込んでくるわな。
雨がかかったよ、というリアクションをして、せめてワシが財布を片付けて降りる準備ができるまでドア閉めとけよという動きをしたんよ。
何にもないよ。
疲れてるからもうええわって思ったけど、これ、ワシの体力がもう少しあったら怒鳴りあいの喧嘩しとるで。雨にぬれないためにタクシー乗ってるのに、なんで車の中で雨にさらされんとアカンねん。
よっぽど、運転席の後ろまで下がってドア閉めるまで動かんといたろかって思ったけど、このオッサンはそんなもんで動じなさそうなので、やめた。時間がもったいない。
客商売やのに何にも考えてへんねんから、このオッサンの車が来たら次はないで。乗車拒否や。