そろそろ昔話でもしていいでしょうか

10月11日に毎日王冠、11月1日に天皇賞、といよいよね、こう、ウオッカのシーズンが来日ですが、ちょっと待ってくれ。この日付。
カレンダーを132枚ほど(日めくりなら4017枚+表紙だ)戻してほしい。
1998年11月1日。1の並んだ日よ。残念なことに平成10年なのだが、それはまあいい。この日のスポーツ紙はほとんど全紙「1」が並んだんよ。①の白地に黒文字が。ワシが当時、読んでたのがスポニチで、まだ覚えてる。見出しから、「11月1日1枠1番で通過順も1、1、1」と。
実際に、「1、1」までは来たんよね。そこから、「1」が寝てしもうたんや。
あれから11年になる。
うるう年やら暦の都合で、ようやく同じカレンダーが回ってきた。11月1日の天皇賞
さて、その年の前哨戦が、10月11日の毎日王冠で、個人的にはこっちの方が印象深いわけである。そら目の前で走ってたか、そうでないか(秋天徹マンから起きたら15時43分でテレビをつけたらもう輪乗りしとったし)というのもある。が、それを抜きにしても、もう二度とこんなメンバーでの競馬は観られへんと思った。
あのエルコンドルパサーが日本で唯一負けたレース。それも2馬身以上の決定的な差をつけられての敗戦。凱旋門賞でも半馬身しか負けなかった馬が、まだ3歳で成長途上とはいえ、2馬身半も負かされた。
そう考えたら、やっぱりサイレンススズカは偉大やったなあと思うわけである。
入場者数13万人超。1レースの売り上げ78億円。
並みのG1以上の入場者。この年の東京開催で、300億円を超えた天皇賞ジャパンCを除いたダントツの売り上げ。
みんな観たかったわけである、サイレンススズカエルコンドルパサーグラスワンダーのどれが一番強いのかを。
今から思うと非常に単純に考えていいわけで、そっけなく言えば、開幕週で逃げ馬有利。当然、サイレンススズカが一番有利で、あとの3歳2頭はどちらも番手かその後ろからの競馬。ブランクが長いのと脚部不安明けという要素からグラスワンダーよりもエルコンドルパサーとなるわけである。
いや、当時もそう、思った。というより2つとも買ったら何か処分されたりするんかな、と。
気づいたらサイレンススズカグラスワンダー馬連1点を手に旧の府中の中央スタンド4階の通路に立って眺めていたわけである。
しかし、あそこでグラスワンダーを選んだ的場はレース後に「馬選びを間違った」とか散々言われて、その2ヵ月後、きっちり答えを出したわけだから大したもんである。
乗り代わった蛯名も、降って湧いてきたチャンスとはいえ、翌年のヨーロッパ遠征で、まあ最高の、と言ってええやろう、あの結果を残してきたわけであるから、これもすごい。
純粋にね、競馬ってすごいなと思ったレースなんよ、10月11日の毎日王冠は。
ある意味、去年の天皇賞もものすごいレースよ。けど、昔みたいに前哨戦からそういう火花がばちばち飛び散るような組み合わせっちゅうのが、最近はないなぁ。馬券買わんでもええやろいうようなのが。