そこはかとなく疑惑のテイスト

テレビのスポーツニュースで久しぶりに耳の怪物をみた。
もちろんハムのコーチの人の話題で、まず「うそやん…」と絶句し、その後、「誰か(EGWのコメントを)とってこい」と。それぐらいあの二人は切ろうとしても切り離せない。
当時の関係者が口を揃えて「本当に申し訳ないことをした」とのたまわっておられるが、誰に対して申し訳がないのか。ワシにはそこが疑問である。
小林氏に対して「申し訳ない」というのならお門違いではないか。確かに讀賣で陽の当たるところで投げ続けたかったかもしれないが、あそこで阪神へ移ったことによって、後の近鉄コーチがあり、今のハムのコーチがあった。それは間違いないと思う。阪神へ移籍した後、小林氏が不幸だったかというと、それはないだろうし、むしろ、幸せだったのではないかとすら思う。
それよりも、当時の(今もそうやけど)ルールを無理やり捻じ曲げてでも法大のエースを獲得しようとした、その行為自体が「申し訳ない」ことではないのか。ルールに則って嫌なことでも我慢してきた他の球界関係者に対しての侮辱行為でしかない。勝つためなら、ほしいものを手に入れるためなら、法を侵してもいい。バカにしているのかと。誰を? 正直者を、そして、注目のドラフトの成り行きを見守っていたファンを。
今このタイミングで例の事件について「世間に対して申し訳なかった」と謝罪するのは全然時機を誤っているとしかいいようもないが、「小林氏に対して申し訳なかった」というコメントを出すことも同じぐらいおかしいんではないか。
30番の人はあれで申し開きをできたと思ったら大間違いで、それは一生背負っていかなければならない十字架。本人もそこはよく分かっているようだが。一番タチの悪いのは当人同士よりもルール違反を画策した当時の讀賣首脳陣で、彼らは全く反省の色もないんとちゃうか。もうボケてしまった当時の監督はともかくとして。
と、ニュースをみていて思ったわけや。
今もやっとることはあんまり変わってないけどな。違うのは他所の球団もやってて、球界自体にモラルのかけらもないことぐらいか。