谷崎潤一郎「細雪」

細雪(上) (新潮文庫)

細雪(上) (新潮文庫)

物語の最初から終わりまで、ずっと見合いをしている話。
といっても過言ではなかろう。
正直、何が面白いんだかよく理解できない。
上中下と三巻にわたって物語は進んでいくのに、時局以外は何ら進展しないといってもいい。
三女はいつまでたっても行けず後家のまま。
四女はいつまでたってもアホ坊と縁が切れん。
もう朝の連続テレビ小説というのか。
ある意味、トーマス・マンの「ブッデンブローク家の人々」に匹敵する。あれはあれで頽廃していくところが進展ではあるが。
いや、そうか。これは終わらない日常なのか。
マンガの王道たる、10巻たっても50巻たっても、登場人物のやっていることが何も変わらないという、日本の伝統なのか。
それにしても、くどいよな。たまにはオリエンタルのグリル以外のもん食うてみいやって(笑い)。
個人的には谷崎は短編の方がキレがあって好みである。