「障害戦は落馬が多い」は本当か?

馬券氏に「なぜ障害の馬券を買わないのか?」と尋ねると十中八九こう返ってくる。
「障害戦は落馬が多いから恐くて馬券なんか買えないよ」
ホンマか??
例によって検証してみるぞ。


まず平地のデータだ。2012年の1年間で、JRAの平地レースには延べ48,097頭が出走した(取消や除外を除く)。うち、競走中止は177頭(故障、落馬等)。
率にすると、0.4%である。
次に障害のデータ。同じく去年1年間で、障害レースに延べ1,682頭が出走し、競走中止は108頭。
中止率は6.4%。平地の16倍だ。
なるほど。確かに障害の競走中止率は高い。
これを障害未勝利戦に限定するとどうか?
1,151頭中、67頭が競走中止。中止率は5.8%。
6%という数字は、16頭に1頭は競走中止ということだ。ほとんどの競馬場で障害のフルゲートは14頭だから1レースに1頭弱中止する計算になる。確かに恐いかもしれない。そこも考慮した上で障害戦は買わなきゃならんのだろう。


ちなみに、障害未勝利戦の競走中止数の競馬場別では、
京都 17
阪神 15
東京 13
中山 7
福島 6
小倉 6
新潟 3
となっている。目をひくのは中山の中止数の少なさだ。ほぼ同数の番組が組まれている東京の半分しかない。
思うに、障害で落馬するのは、飛越が下手というよりも、バテてきて高く遠くに飛べなくなったためだろう。だからペースが速くなるOPのレースで落馬率が高くなるのだと思う。
そういう意味で、バンケットや直線の急坂がある中山は騎手が意図的にペースを落とすからかえって馬がバテないんじゃなかろうか。同じ理由で、小回り(=コーナースピードが遅い)で平坦な新潟は馬がバテない(実際、全場でも飛びぬけて上がりが速い)から落馬が少ない。
障害で勝負するなら、中山か新潟の障害未勝利戦が落馬の恐れが少なくていいのかもしれない。