進路妨害の新ルール

南関の成績をデータベース化しようとnankankeiba.comを開いたら、トップに4月から新ルール適用と書いてあった。
JRAでは1月から変更しているあのルールを南関でも4月から導入するという。
すでにJRAの方ではAJCCをはじめとしていろんな議論が噴出しているが、私は正しい方向性だと思っている。


日本競馬、特にJRAは20世紀末以来、競馬の国際性を重視してきている。
かつて存在していたマル外差別の撤廃などはいい例だ。古くはマルゼンスキー。20世紀末にはファビラスラフイングラスワンダーエルコンドルパサーなど、クラシックに出走していれば勝ち負けになっただろうと言われていた。
その後もカク外の出走枠拡大、外国人馬主の問題など。
時には馬産地保護の観点から異論が唱えられたりしてきたが、実際に変更してみれば大きな問題も起こらずにきている。(まあ、これはサンデーサイレンスがいたからという説もあるが。)
それらが認められて日本はパート1国入りできたわけである。


が、いまだに進路妨害に関しては国際ルールと乖離していた。これを今回国際ルールに変更したというわけだ。柔道のケースに似ているのではないだろうか。
確かに国際ルールが正しいとか面白いというのは違うだろう。
オリンピックで柔道を見ていても、ポイントを取りにいくばかりで面白味に欠けるという意見もあり、実際に私もそう思う。しかし、「日本は日本ルールでしかやりません。国際ルールだったら参加しません。」というわけにもいかないし、突如、本大会だけ国際ルールでやれば選手が戸惑ってしまう。結果、実力を発揮できずに終わってしまうというのも本末転倒な話だろう。


競馬でもすでに同様の事象が起きていた。ブエナビスタ降着した2010年のJCでは、スミヨンが当初納得していなかったという。確かに不利を受けた後、ブエナビスタローズキングダムの差は縮まっていないので、AJCCの判定から考えても国際ルールでは降着には当たらないと思われる。しかし、当時の日本ルールでは明確に降着だ。スミヨンとすれば「じゃあどう乗ったらセーフなんだ」と言いたくもなるだろう。
安全面も考慮すれば、より危険騎乗の少なくなる日本ルールの方がいいというのは間違いない。だが、日本馬や日本人騎手の海外遠征も増えている。外国人騎手の来日も増えている。その中で各馬、騎手が実力を発揮するためにはルールを国際基準化することはやむをえないのではなかろうか。


ファン無視のルール変更だという意見もあろうが、前のルールだってできた時は非難轟々だっただろう。メジロマックイーン降着事件など、今回のAJCCの比にならないくらい言われている。しかし、時間が経って定着していけば問題ないだろう。現に2010年JCの時も「あれでブエナビスタ降着はおかしい」と憤慨していたファンは少なかったはずだ。
我々ファンもできるだけ速やかにこのルールに慣れていくしかないと思うのだ。
(南関の馬券オヤジらはAJCCみたいなことがあったら滅茶苦茶罵倒するだろうが。)