NHKマイルCの好走ステップ

例によって近10年の勝ち馬のステップ。
桜花賞 2(1着、14着)
ニュージーランドT 5(1着、3着×3、7着)
毎日杯 2(1着×2)
アーリントンC 1(1着)


パッと見て分かるのは、前走で3着圏内に入っている馬が多い。
また、10頭すべてが1600か1800の重賞からのステップ。レースの性質を考えると、2000mの皐月賞弥生賞は一考の余地はあると思うが、1600未満の重賞からの勝ち馬は出ていない。
中でも、トライアルレースのニュージーランドTからが半数で、そこを好走してきた馬がきっちり勝ち切っている。トライアルレースとしての機能を果たしているといえるだろう。
ニュージーランドT組で唯一の例外といえる7着は2013年のマイネルホウオウ。2走前がスプリングSで3着、3走前がジュニアCで1着。たまたまニュージーランドTだけ走らなかったと見てもいい。
桜花賞で14着だったのは、2007年のピンクカメオで、これも2走前は牝馬限定のOP特別だった菜の花賞で1着。桜花賞は久々のローテーションが堪えたと見るべきだろう。
実は、この例外2頭も含めて、ある共通点が見つかる。
中山1600のOPクラスのレースでの実績である。
ニュージーランドTのみならず、マイネルホウオウにせよ、ピンクカメオにせよ、3走前、2走前に中山1600のOP特別を勝っている。また、ニュージーランドTの実績のうち、実は2011年は震災の影響で阪神1600で実施しているが、この3着だったグランプリボスがNHKマイルCを優勝。言うまでもなく、中山1600のG1朝日杯勝ち馬である。
意外とこの条件とNHKマイルCは合うらしい。だから、前走重賞で凡走していても近走で中山1600のOPクラスで好走している場合は拾う価値があるかもしれない。


その観点から見ると、
2 グランシルク(ニュージーランドT2着)
8 ナイトフォックス(前走は橘Sで8着もニュージーランドTは僅差の4着)
9 アルビアーノ(フラワーC1着)
10 アルマワイオリニュージーランドT3着)
11 ヤマカツエースニュージーランドT1着)
あたりが候補。
さすがにナイトフォックスは勝ち馬として考えるには一枚割引だろうが、残りの4頭のうち、3頭は枠順も似たようなもので甲乙付けがたい。
そこで脚質で考えたいが、実は、近10年で2頭が逃げ切っている。また、4角で5番手以内という馬も5頭いる。東京コースなので差しが有利という先入観があるが、実は半分は好位より前でのレースをしていた。必ずしも差し追込は有利ではない。皐月賞を見ても分かるように、後ろからレースを進めることによって不利を受けるリスクは高くなる。あそこまで明白な不利ではなくても、インを突いたら内が詰まっただとか、外を回して距離ロスが発生して最後に届かなかっただとか、そういった事例は毎週目にしているだろう。
その点では、アルマワイオリヤマカツエースは落第する。
残ったのは、グランシルクとアルビアーノ
グランシルクは前走出遅れて後方から差し切れず2着。普通にゲートを出ていたら勝っていただろうが、また出遅れる可能性もある。現に3走前も出遅れて後方から捲るレースをしている。
アルビアーノは3走全て逃げ切っていて、かつ新馬戦ではあるが、中山1600での実績もある。不安点があるとすれば騎手ぐらいか。